きょうは満月で「中秋の名月」 次に同じ日になるのは7年後

旧暦の8月15日にあたる29日は、月が特に美しいとされる「中秋の名月」です。
29日は満月と「中秋の名月」が一致するためお月見には絶好のチャンスとなっていて次に同じ日になるのは7年後となります。

29日は旧暦の8月15日にあたり、この日に見える月は特に美しい「中秋の名月」とされています。

「中秋の名月」として観賞する文化は平安時代に中国から伝わったと言われていて、作物の収穫時期と重なり里芋などが供えられたことから「芋名月」とも呼ばれています。

国立天文台によりますと「中秋の名月」は、旧暦の日付けをもとに決まる一方、月の満ち欠けは新月から満月までの日数が13.9日から15.6日まで変化することなどから「中秋の名月」と満月が必ずしも一致するわけではないということです。

おととしから3年連続で「中秋の名月」が満月と同じ日になっていますが、次に「中秋の名月」が満月と一致するのは7年後の2030年9月12日になるということです。

秋田 男鹿

秋田県男鹿市 男鹿半島の入り口、高さおよそ15メートルの巨大ナマハゲ像2体がシンボルとなっている「男鹿総合観光案内所」で見られた「中秋の名月」です。

宮城 仙台

「中秋の名月」の29日夜、仙台市にある天文台では望遠鏡を使って満月を観察する特別イベントが開かれました。

仙台市青葉区にある仙台市天文台では、旧暦の8月15日にあたる今夜の「中秋の名月」を楽しんでもらおうと、望遠鏡で満月を観察する特別イベントが開かれました。

午後6時から観察会が始まり、しばらくの間は、空に雲がかかっていて月をほとんど見ることはできませんでしたが、午後7時ごろになると雲の切れ間から明るい満月が現れました。

会場に集まったおよそ50人の人たちは望遠鏡をのぞいて観察しながらその明るさや幻想的な雰囲気に歓声を上げていました。

市内から訪れた小学6年生の男の子は、「天文台のホームページを見てイベントに参加しました。望遠鏡で見た月は明るく大きくて、とてもきれいでした」と話していました。

仙台市天文台の迫千紘さんは「初めてのイベントで、最初は曇っていて心配でしたが、最後は月がはっきり見えてよかったです。このあとも、おだんごを食べるなどしながら、楽しんでもらいたいです」と話していました。

東京 墨田区

東京 墨田区の東京スカイツリーでは、地上350メートルにある展望台で4年ぶりに「中秋の名月」を楽しむイベントが開かれました。

このイベントは2017年から毎年行われていましたが、新型コロナの影響で中止が続いていて29日夜は、4年ぶりの開催となりました。

午後7時から始まったイベントですが、あいにくの曇り空が続き参加者たちは月が見える瞬間を待っていました。

そして午後7時20分ころ雲の切れ間から明るい月の光が見えると訪れた人たちから歓声があがりました。

会場には特別に望遠鏡が用意され、参加者たちは、拡大して見える満月の様子を楽しんでいました。

埼玉県から月を見るために訪れた男性は「見えないかなと思いましたが、 月を見られて、子どもたちも喜んでいたのでよかったです」と話していました。

また地元の女性は「近所に住んでいて、スカイツリーから月を見たくて来ました。月が大きく見えました」と笑顔で話していました。

兵庫 明石

兵庫県明石市にある明石公園では、中秋の名月にあわせて毎年この時期にお月見を楽しむイベントが開かれていて、ことしは市立天文科学館による月の観察会が行われ多くの人が集まりました。

公園には天体望遠鏡が5台用意され、集まった人たちは天文科学館の学芸員などから望遠鏡の使い方や月の模様などについて説明を受けながら順番に望遠鏡をのぞいて月の様子を観察していました。

明石市から訪れた親子は「月はすごく輝いていてきれいで、いい体験になりました」と話していました。

明石市立天文科学館の鈴木康史学芸員は「ことしは天候に恵まれ晴れた空に月が見えました。満月は一晩中見えているので、ゆっくりと月を眺めて楽しんでもらいたいです」と話していました。

熊本 阿蘇山

「中秋の名月」の29日、熊本県の阿蘇山ではススキが秋風に揺れる中、満月が姿を見せました。

29日は旧暦の8月15日「中秋の名月」で、満月となりました。ススキの名所、阿蘇山では、午後6時すぎ、赤く輝く満月が山の尾根から姿を見せ始めました。

29日の阿蘇地方は、あいにく日が沈んでから空に薄い雲がかかっていましたが、山道に自生するススキが秋風に揺れる中、雲の隙間から時折、満月が姿をのぞかせていました。