米中高官が会談 王毅外相 来月にもワシントンを訪問か

アメリカと中国の外交当局の高官がワシントンで会談し、調整が進められている米中外相会談に向けた協議が行われたとみられます。

アメリカ国務省は28日、東アジアなどを統括するクリテンブリンク国務次官補が中国外務省の孫衛東次官とワシントンで前日の27日に会談したと発表しました。

それによりますと、会談では北朝鮮や台湾などをめぐって意見が交わされ、双方は協力できる分野だけでなく、利害が一致しない分野においても連絡ルートを維持する重要性を強調したとしています。

また、米中両政府で調整が進められているブリンケン国務長官と王毅外相との外相会談についても協議が行われたとみられます。

アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは28日、王毅外相が来月にもワシントンを訪問する方向で調整が進められていると伝えました。

さらに、アメリカとの経済・貿易分野の交渉を担当する何立峰副首相のワシントン訪問についても検討されていると報じています。

米中関係をめぐっては、ことし11月にアメリカで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議にあわせて、バイデン大統領と習近平国家主席の会談が実現するかが焦点となっていて、一連の高官の動きは首脳会談をめぐる調整に向けたものだとみられます。

中国外務省「アジア太平洋について意思疎通の維持で合意」

孫衛東次官とクリテンブリンク国務次官補の会談について、中国外務省は「双方は、両国関係やアジア太平洋地域の情勢、共に関心を持つ国際問題をめぐって率直で深く、建設的な意見交換をした」と発表しました。

中国外務省によりますと、孫次官は台湾情勢について「『1つの中国』の原則が台湾海峡の平和と安定の礎だとする中国側の立場を述べた」ということです。

中国外務省は「双方は引き続きアジア太平洋について意思疎通を維持することで合意した」としています。