大阪マラソン 前回 初の“定員割れ” ランナーの確保どうする

大阪城や道頓堀など大阪の観光名所を駆け抜ける、国内最大規模の市民マラソン、「大阪マラソン」。今年度の大会は2024年2月25日に行われる予定で、ランナーの募集が始まりました。
一方、コロナ禍での開催となった2023年2月の大会では初めて“定員割れ”となり、2次募集が行われました。今回の大会は一般のランナーの確保が課題のひとつとなっています。

(大阪放送局 記者 バルテンシュタイン永岡海/大阪放送局 リポーター 當麻陽香)

募集始まる フルマラソンの定員は3万2000人

「大阪マラソン」は国内最大規模の市民マラソンであるほか、「びわ湖毎日マラソン」と統合された2022年の大会からは国内トップの選手が参加する大会となっています。

2024年の大会も、同じ年に開かれるパリオリンピックの男子のマラソン代表の選考レースを兼ねています。

ランナーの募集は9月26日から始まり、10月15日の午後5時までインターネットで受け付けています。

フルマラソンの定員は3万2000人です。

前回 初めて定員に満たず 2次募集行う

前回、2023年2月の大会では、新型コロナウイルスの影響で行われていなかった一般ランナーの部も4年ぶりに行われました。ほぼ定員に近い2万7000人が参加しました。

過去の大会では倍率が5倍を超えたこともありましたが、前回は初めて応募者数が定員に満たず、2次募集を行いました。

“応募者が減った理由” ランナーなどに調査

関西大学などのグループは2023年の大会に参加したランナーやボランティアを対象に、応募者が減った理由について、複数回答で調査しました。

その結果、
▼「参加料金が過去の大会より値上げされたから」が93.7%と最も多く、
次いで
▼「コロナ禍で前年同様に中止になる可能性があるから」が73.3%となりました。
▼「ペアやグループの参加枠がなくなったから」という人も34.3%いました。

「大阪マラソン」は前々回、2022年2月の大会で、新型コロナの感染拡大を受け、一般ランナーの参加を急きょ取りやめました。

調査グループは、ランナーが、
▼料金を払っても大会が中止となる可能性があることで参加をちゅうちょしたり、
▼参加料金や記録が出やすいコースかなどを比較して大会を選んだりするのではないかと指摘しています。

参加料の値上げが影響?

大阪マラソンのフルマラソンの一般ランナーの参加料は、
▼2019年は1万800円でしたが、
▼2023年の大会は1万7200円まで上がりました。
▼2024年の大会は1万7000円です。

大阪城の近くでランナーに聞くと…

一般のランナー
「参加料が高いから出ない。3000円だったら出るけど」

別の一般のランナー
「別の市民マラソンは参加料が7000円ほどなので、ちょっと高いかな」

ちなみに、各地のマラソン大会は、
▼東京マラソンは1万6500円(2024年)
▼神戸マラソンは1万6200円(2023年)
▼京都マラソンは1万8000円(2024年)
となっていて、値上げの傾向にあります。

組織委 “コロナ対策や警備強化 値下げは難しい”

大阪マラソンの大会組織委員会は、参加料金の大幅な値下げは難しいとしています。

組織委員会の西内克己事務局長は「コロナ対策に加え、海外の大会で爆発物が見つかったケースがあるなど、警備の強化に伴い、人件費が上がっているため、参加者のみなさんにある程度負担をお願いする形になる」と話しています。

コース見直しや 大会の魅力高める工夫

組織委員会は大会の魅力を高めるため、2024年の大会ではコースの見直しを行いました。

好記録が出やすいように、Uターンで折り返すポイントを5か所から3か所に減らしました。

30キロ付近にあった上町台地のアップダウンも減らしました。

また、一般の人が参加しやすいよう、7.2キロと距離の短いコースを復活させたほか、ペアやグループでの参加も可能にしました。

大阪の食を楽しめる給水・給食コーナーも設けて、ランナーに選ばれる大会にしようと工夫したということです。

組織委員会の西内事務局長は「5年ぶり、6年ぶりに復活するイベントもあります。走りながら大阪を満喫してもらえると思うので、ぜひ申し込んでほしい」と話しています。