台湾 初めて自主建造した潜水艦の進水式行われる

台湾が初めて自主建造した潜水艦の進水式が28日に行われ、蔡英文総統は台湾周辺海域での活動を活発化させている中国軍に対する抑止力の向上に期待を示しました。

この潜水艦は、台湾南部の高雄にある造船所で2020年から建造していたものです。

28日、現地で進水式が行われ、蔡総統はこの潜水艦を「海鯤」と命名し、くす玉を割って船体の完成を祝いました。

蔡総統は祝辞で「潜水艦の国内での建造は目標である以上に、国を断固として守るための具体的な実践だ。潜水艦は海軍の戦略と戦術において『非対称戦』の重要な装備だ」と述べました。

蔡英文政権は、圧倒的な軍事力をもつ中国を機動性のある装備で抑止する「非対称戦」という戦略を掲げています。

蔡総統の28日の発言は、潜水艦の自主建造が台湾周辺海域で空母などの活動を活発化させている中国軍に対し、抑止力の向上につながるとして期待を示したものです。

式典では、アメリカ、韓国、それに日本の窓口機関の代表や副代表の名前が紹介され、これらの国が建造に何らかの協力をしたことをうかがわせました。

一方、建造を担当した造船会社はこの潜水艦の性能などを公表せず、式典で披露した船体の一部を布で覆ったうえ、メディアが近距離から撮影するのを禁じました。

「海鯤」は今後、港湾や海上での試験などを経て、再来年・2025年に就役する見込みです。