インドネシア スラウェシ島地震から5年 日本の知見いかし復興

4000人以上が犠牲になったインドネシアのスラウェシ島の地震から28日で5年となり、現地では日本が東日本大震災などの自然災害からの復興で培った知見をいかし、インフラの復興が進められています。

2018年にインドネシアのスラウェシ島中部で発生した地震では、津波や大規模な液状化現象などによりおよそ4300人が犠牲となりました。

地震の発生から28日で5年になるのを前に、被災者が集団移転した高台の住宅地では27日、犠牲者への祈りがささげられました。

9歳だった娘が今も行方不明だという男性は「いまだに悲しいが、立ち上がり新しい人生を歩みたい」と話していました。

現地ではJICA=国際協力機構が中心となり、日本が東日本大震災などの自然災害からの復興で培った知見をいかし、復興に協力しています。

このうち津波で大きな被害を受けたスラウェシ島中部のパル湾沿いでは、5メートルほどかさ上げした道路の建設が進んでいます。

日本の被災地でも建設されているかさ上げされた道路は津波の被害軽減にもつながると期待されています。

地震直後から復興事業に携わってきた建設コンサルタント会社、八千代エンジニヤリングの福島淳一ジャカルタ事務所長は「日本の防災技術は世界有数で、インドネシア側からも安心感があると言われている。震災で培った技術をベースに、現地に合うよう変えている」と話していました。