バレーボール女子 日本 この大会でのパリ五輪出場権獲得ならず

バレーボール女子のパリオリンピック予選は24日、最終戦が行われ、世界ランキング8位の日本は世界4位のブラジルにフルセットの末、2対3で敗れてこの大会でのパリオリンピック出場権獲得はなりませんでした。

バレーボール女子のパリオリンピック予選は、24チームが8チームずつ3つのグループに分かれて総当たりで対戦し、各グループの上位2チームにオリンピックの出場権が与えられます。

日本が入るグループは都内で大会が行われ、すでにトルコが全勝で1位を決めるなか、世界8位の日本は24日夜、最終戦でともにここまで5勝1敗で並ぶ世界4位のブラジルと対戦しました。

日本は第1セット、平均身長で10センチ近く上回るブラジルの高さを生かした攻撃に苦しみ、21対25で落としました。

それでも第2セットではキャプテンの古賀紗理那選手のスパイクなどで序盤から7連続得点を奪って優位に進め、25対22で取り返しました。

このあと第3セットは接戦の末、25対27で落としましたが、第4セットでは磨いてきたサーブやブロックが要所で決まり25対15で取って、試合は最終セットにもつれ込みました。

最終セットは先にリードを許す展開のなか、石川真佑選手が強烈なスパイクを立て続けに決めるなどして食らいつきました。

しかし最後は、相手のサーブで連続ポイントを奪われて突き放され、10対15で落としてセットカウント2対3で敗れました。

この結果、対戦成績は5勝2敗で8チーム中、3位となり、この大会でのパリオリンピック出場権獲得はなりませんでした。

日本がオリンピックに出場できるかどうかは来年行われる国際大会『ネーションズリーグ』を終えた段階での世界ランキングで決まります。

眞鍋監督「世界との間にある壁感じた」

日本の眞鍋政義監督は試合後の会見で「数字的には本当に紙一重な試合だったが、勝負どころ、特に20点以降の点の取り方はかなり違うと感じた。20点以降、勝負強い選手が何人コートにいられるか、そこは世界との間にある壁かなと感じた」と振り返りました。

そのうえで「きょう負けた悔しさを選手たちがどれだけ継続できるかどうか、選手1人1人の気持ちが本当に大事になる。技術は1、2年かかるがメンタルはすぐ変えられるのでそこを鍛えていきたい」と話していました。

キャプテン 古賀紗理那選手「悔しい 課題の中にも希望」

キャプテンとしてチームをまとめた古賀紗理那選手は「この大会でパリオリンピック出場を決められなかったことは悔しいが、課題の中にも希望があってプラスなこともたくさん出た大会だった」と振り返りました。

具体的には「大会を通してオフェンスはいい形ができつつあるし、終盤の競り合いの中でこちらがもっと精度高くプレーできていれば取れているセットもたくさんあった。最後の詰めのところ、取りきらないといけないところでそれができなかった。終盤の戦い方で心をタフに、チーム全員が自分が絶対に点を取ってチームに貢献するという思いを持てるようにしていきたい」と話していました。

林琴奈選手「終盤での戦いが弱いという課題も」

林琴奈選手は「強豪国と技術的にはそんなに差がない戦いをできたところは自信にしていかないといけない。ただ終盤での戦いが弱いという課題もハッキリしたので、練習から20点以降どうやって戦うか詰めていかないといけない」と話しました。

そのうえで、「これだけ多くの観客の前でプレーできたことはいい経験になった。個人としてはしっかりとスパイクを打ち切ることやもっと自信を持ってサーブを打てるように、そこを意識して力をつけてきたい」と前を向いていました。

山田二千華選手「気持ちの面で引く場面が出てしまった」

山田二千華選手は「大会を通して強化してきたサーブはうまくいっていたし、自分たちが決め切れているときはいい展開を作れていた。ただ、きょうは気持ちの面で引く場面が出てしまった。自分たちから攻める気持ちを忘れずにいればもっと勝っていけると思う」と話しました。

そのうえで今後に向けて「オフェンスの面でいろんな選択肢を持ってしっかりスパイクを決めていけるように幅広い選択肢を持てるようにしたい」と話していました。

パリ五輪 残る枠は「5」

バレーボール女子のパリオリンピックの出場枠は「12」で、今回、24チームが参加し3つのグループに分かれて行われている予選では、各グループの上位2チームずつ、あわせて6チームがオリンピックの出場権を獲得します。

現時点で出場権を得たのは世界ランキングの順に、トルコ、セルビア、ブラジル、ドミニカ共和国です。

また、開催国のフランスはすでに出場が決まっています。

残る5つの枠は、来年行われる国際大会『ネーションズリーグ』が終わったあとのパリオリンピック開幕のおよそ1か月前、6月17日の世界ランキングで決まり、すでに出場を決めている7つの国を除いて上位5チームが出場権を得ます。

また、地域ごとに決められた出場枠はありませんがアジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアの5つの大陸の中でまだ出場が決まっていない大陸のチームが優先される見込みです。