ASEAN加盟国の軍 南シナ海の島で合同演習 連携強化を確認

ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国の軍は、中国が海洋進出を強める南シナ海に浮かぶインドネシアの島で初めての合同演習を行い、海上警備などの連携の強化を確認しました。

この演習はASEANの議長国のインドネシアが初めて呼びかけ、今月19日から23日まで南シナ海南部のインドネシアのナトゥナ諸島などで行われ、加盟国のうちインドネシアやシンガポールなど4か国が軍艦を派遣し、海上警備や海難救助の訓練を行いました。

23日は島で大規模な災害が起きたという想定で行われ、軍用機で支援物資を届けるなどして、災害時の連携強化を確認していました。

南シナ海をめぐっては、8月には中国が南シナ海のほぼ全域の管轄を主張する地図を発表し、領有権を争うASEANの加盟国が反発しているほか、インドネシアが設けた排他的経済水域にも近年中国船が侵入しています。

今回の演習についてインドネシア軍のユド・マルゴノ司令官は「各国の軍艦が集まるのは地域の安定に戦略的なインパクトを与える」と述べ、名指しは避けながらも中国をけん制しました。

一方、一部のメディアによりますと、インドネシアは当初、排他的経済水域に近い海域で演習を計画していたものの、「戦闘訓練ではない」として場所も変更したということで、ASEANの最大の貿易相手国でもある中国を過度に刺激しないよう、配慮したものとみられます。