処理水放出1か月 政府 中国の輸入停止 早期に撤回させたい考え

福島第一原発の処理水の放出開始から24日で1か月です。政府は、中国による日本産水産物の輸入停止措置について、水産業への影響を踏まえ、できるだけ早期に撤回させたい考えで、国際社会の理解と支持を背景に働きかけを強めていく方針です。

東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が8月24日に始まって以降、政府は、岸田総理大臣みずからがASEAN=東南アジア諸国連合との首脳会議やG20サミット、それに国連総会と、相次いだ首脳外交の場で放出の科学的な安全性などを繰り返し説明してきました。

各国からは理解や支持の声が相次いでいて、岸田総理大臣は、国連総会への出席にあわせて開いた記者会見で「国際会議や2国間会談の機会に丁寧に説明し、幅広い理解を得てきている」と強調しました。

一方、中国は依然として放出に反発する姿勢を崩さず、日本産水産物の全面的な輸入停止措置を続けており、日本の水産業に与える影響への懸念が一層広がっています。

政府は、できるだけ早期に措置を撤回させたい考えで、国際社会の理解と支持を背景に、WTO=世界貿易機関などの枠組みなども活用しながら、中国への働きかけを強めていく方針です。