北陸新幹線 来年3月開業 金沢~敦賀間の試験走行始まる

来年3月に開業する北陸新幹線の金沢駅から福井県の敦賀駅の間で、試験用の車両を使った走行が23日から始まりました。

新幹線の試験走行が始まったのは、来年3月16日に開業する北陸新幹線の金沢駅から敦賀駅の区間です。

JR東日本の試験用の車両「イースト・アイ」が午前9時半すぎに福井県あわら市にある芦原温泉駅に入ってくると、JRや地元自治体の関係者などおよそ80人が出迎えました。

その後、ホームで記念の式典が行われ、福井県の杉本達治知事が「いよいよ北陸新幹線が福井県に入ってきた。開業まで半年を切ったのでプロモーションやおもてなし、2次交通の整備に全力を挙げていきたい」とあいさつしました。

そして参加者がくす玉を割って初めて車両が来たことを祝いました。

23日は途中で停車しながら時速45キロ前後で走行し
▽線路にゆがみがないかや
▽架線から電気が供給されているか
などを確認するということで、「イースト・アイ」は23日夜、敦賀駅に到着する予定です。

試験走行は12月9日まで行われ、9月26日からは営業用の車両「W7系」も使われるということです。

「イースト・アイ」見ようと大勢の人が

福井市中心部を流れる足羽川の橋の上では、試験用の車両「イースト・アイ」が走る様子をひと目見ようと、大勢の住民が集まりました。

午後1時ごろ、福井駅を出たイースト・アイが橋の上を通過すると、集まった人たちがスマートフォンやカメラを向けて川の上をゆっくり走る車両を写真に収めていました。

福井市の70代の男性は「待ちに待った車両を見ることができてよかったです。新幹線の開業が楽しみです」と話していました。

また、福井県越前市の男子高校生は「イースト・アイが来るまで2時間待ちましたが、福井を走る新幹線の車両を見ることができて感動でした。待ったかいがありました」と話していました。

福井 杉本知事「準備をさらに加速させていく」

福井県の杉本知事は「先人の苦労があってここまできたと思うととても感慨深い。観光地を巡るバスや宿泊施設などがたくさんできているが、準備をさらに加速させていくことで、盛り上がりを全国に広げ、1人でも多くの人に福井に来てもらえるようにしたい」と話していました。

試験走行の運転士「期待の高さ感じた」

北陸新幹線の試験走行で石川県の小松駅から福井駅の区間で、試験用の車両「イースト・アイ」の運転を担当したJR西日本金沢支社の本多剛係長は「沿線で写真を撮っている大勢の人が見えて、新幹線への期待の高さを改めて感じた。初めて走行する線路なので、曲線や勾配などに注意して運転した。感じたことを運転士のなかで情報交換して安全な運転ができるよう努めたい」と話していました。

また福井市出身ということで「福井県に入った瞬間に『ふるさとに入った』という感覚になった。試験走行を担当できて感慨深かった」と話していました。