バイデン大統領 地対地ミサイルATACMS ウクライナに供与方針か

アメリカのNBCニュースはウクライナが強く求めている射程の長い地対地ミサイル「ATACMS」について、アメリカのバイデン大統領がゼレンスキー大統領に供与する方針を伝えたと報じました。反転攻勢を進めるウクライナ軍を後押しするねらいがあるとみられます。

アメリカのバイデン大統領は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談しました。

これにあわせてバイデン政権は最大で3億2500万ドルの追加の軍事支援を発表しましたが、ウクライナが強く求めている最大射程が300キロの地対地ミサイル「ATACMS」は含まれていませんでした。

このミサイルについてアメリカのNBCニュースは22日、複数のアメリカ政府当局者などの話として、バイデン大統領がゼレンスキー大統領に対し、供与する方針を伝えたと報じました。

ただ、当局者らは、ミサイルが実際に供与される時期や発表の時期については明らかにしなかったとしています。

「ATACMS」をめぐっては、ロシア領内の奥深くまで攻撃できるため、ロシアを過度に刺激するおそれがあると指摘され、バイデン大統領はこれまで供与に慎重な姿勢を示していました。

バイデン大統領としては、ウクライナ軍が反転攻勢を進める中、ウクライナ軍を後押しするねらいがあるとみられます。

ブリンケン国務長官 ゼレンスキー大統領 ともに明言避ける

アメリカのブリンケン国務長官は22日、ニューヨークで開いた記者会見で「ATACMS」のウクライナへの供与について質問され「何も言うことはないし、発表することもない」と述べました。

一方、ゼレンスキー大統領は訪問先のカナダで記者団から問われ「バイデン大統領と協議したことの大半は合意に達することができるだろう」と述べるにとどめ、明言を避けました。