全米自動車労組 スト対象を41か所に拡大 経済全体への影響も

アメリカのUAW、全米自動車労働組合は、大手自動車メーカー3社に対するストライキの対象となる施設をこれまでの3か所から41か所に拡大し、ストの大幅な拡大が自動車生産や経済全体に及ぼす影響が懸念されます。

UAW、全米自動車労働組合は、アメリカの大手自動車メーカーのGM=ゼネラル・モーターズやフォード、それにクライスラーのブランドを傘下に持つヨーロッパのステランティスの3社との間で労使交渉が合意できず、先週15日に3社の組合員が初めて同時にストライキに突入しました。

ストはこれまで3社の3つの工場に限定し、およそ1万3000人の組合員が参加してきましたが、UAWのショーン・フェイン委員長は22日、期限としてきた現地時間の正午までに労使交渉に進展がなかったとして、GMとステランティスの部品を配送する38の施設で新たにストに突入したと発表しました。

これによってストに参加する組合員はおよそ5600人増え、あわせて1万8000人を超えるということです。

一方、フォードとの間では労使交渉に進展が見られたとしてストの拡大を見送りました。

また、フェイン委員長はバイデン大統領をストに招くと述べ、これに対してバイデン大統領も26日に現地を訪れて、組合員を支持する姿勢を示すとSNSで発表しました。

ストの対象となる施設はこれで41か所に拡大し、このうちニューヨーク州のステランティスの施設では組合員が施設前の道路を走る車に対してストに入ったことを訴えていました。

労使交渉では、組合側が4年間で40%の賃上げなどを求めたのに対し、経営側の回答は要求を下回っているということです。

組合側の不満の背景には、長引くインフレに加えてガソリン車に比べて部品の数が少ないEV=電気自動車の普及が雇用の縮小につながることへの不安があるとみられ、ストの大幅な拡大が自動車生産や経済全体に及ぼす影響が懸念されます。