ラグビーW杯 アルゼンチン勝利で同組の日本含む3チームが1勝

ラグビーワールドカップフランス大会で日本と同じ1次リーグ、プールDのアルゼンチン対サモアはアルゼンチンが19対10で勝ち、これで日本を含む3チームが1勝となりました。

世界ランキング10位のアルゼンチンは、11位のサモアとこれまでワールドカップで3回対戦し、1勝2敗と負け越しています。

今大会の初戦でイングランドに敗れたアルゼンチンは、サンテティエンヌで白星発進のサモアと対戦しました。

開始直後、サモアのダンカン・パイアアウア選手が、キックをキャッチした選手に空中でタックルしてイエローカードを受け、10分間の退場となりました。

数で勝るアルゼンチンは優位に試合を進め、前半9分、弱い雨が降る中でもバックスが展開してつなぎ、最後はエミリアーノ・ボッフェーリ選手が飛び込んで先制のトライを決めました。

その後もアルゼンチンは正確なキックが持ち味のボッフェーリ選手が立て続けにペナルティーゴールを決めるなどキックで着実に得点を重ね、13対3とリードして前半を折り返しました。

後半は両チームともぬれたボールが手につかず決め手を欠く展開が続きましたが35分、アルゼンチンは自陣深くでサモアのフォワードに押し込まれてトライを奪われ、6点差に追い上げられました。

しかし終了間際にハーフウェイライン近くからペナルティーゴールを決めてサモアを突き放し19対10で勝ちました。

一方、サモアは司令塔のクリスチャン・リアリーファノ選手が得点のチャンスでペナルティーキックを外すなど流れを引き寄せられず初戦のチリ戦に続く白星とはなりませんでした。

これでプールDは日本を含む5チームすべてが2試合を終え、2勝で1位のイングランドに次いで、サモア、日本、アルゼンチンの3チームが1勝となりました。

サモア ヘッドコーチ “リフレッシュさせて日本戦に向かいたい”

アルゼンチンに敗れたサモアのセイララ・マプスア ヘッドコーチは、試合後の会見で「雨のコンディションも含めてアルゼンチンの方がうまく順応した。終盤よくなったが、そのときはもう時間が足りなかった。チャンスを作ったが、そのうちのいくつかを決めていれば試合の流れは変わっていた。すぐに切り替えて6日後の日本戦に備えたい」と話しました。

そのうえで「チームをリフレッシュさせて日本戦に向かいたい。この試合でハンドリングミスがたくさん出たので修正しなければならない」と話しました。

また、ゲームキャプテンを務めたロックのクリス・ブイ選手は「個人的には試合を楽しむことができた。チームも後半にかけて良くなってきたが、チャンスを決めることができなかった。来週の日本戦を楽しみにしている」と話し、日本時間29日に行われる日本との第3戦を見据えていました。

サモア代表 「ルール変更」で大幅に強化

サモア代表はアルゼンチンに敗れたものの、スクラムや大きな体格を生かしたプレーで確かな強さを印象づけました。

今大会のサモア代表は大会前に改定された「ルール変更」でチームが大幅に強化されています。

ラグビーの国際統括団体、「ワールドラグビー」が2022年1月、これまでひとつの国や地域の代表チームでしかプレーできなかった規定を改定。
条件を満たせば1回に限ってプレーする代表チームを変更できるようになりました。

これによってサモア代表にはほかの強豪チームでプレーしてきたゆかりのある選手たちが多く集まりました。
アルゼンチン戦でチームの司令塔・スタンドオフとして出場したクリスチャン・リアリーファノ選手は、前回の日本大会ではオーストラリア代表の司令塔を務めチームをけん引しました。
また、後半途中から出場したプロップのチャーリー・ファウムイナ選手は、元ニュージーランド代表で50キャップを獲得した名選手でサモア代表としても130キロの体を生かしたプレーでチームを支えています。

チームに実績のある選手たちが加入していることについて、スクラムハーフのジョナサン・タウマテイネ選手は「彼らはたくさんのものをもたらしてくれる。一番はリーダーシップであり、われわれを結束させてチームをより力強くしてくれている」とその存在の大きさを語りました。

7月のテストマッチでは接戦の末、サモアに敗れている日本。強豪チームで活躍した経験豊富なメンバーを相手に、日本の持ち味を発揮できるかが勝負のポイントとなりそうです。