糖尿病の新たな呼称「ダイアベティス」とする案発表

糖尿病に対する誤解や偏見を払拭(ふっしょく)しようと「日本糖尿病協会」などは、糖尿病の新たな呼称として英語の病名に基づいた「ダイアベティス」とする案を発表しました。

これは、22日に専門医などの団体、日本糖尿病学会と医師や患者で作る日本糖尿病協会が会見を開いて発表しました。

糖尿病は血糖値が高い状態が続いて、悪化すると腎臓病や失明、神経障害などにつながる病気で、国内の患者はおよそ1000万人に上るともされています。

2つの団体では、現在の糖尿病という病名は、
▽糖が尿に出ない患者も多く症状を正確に表していないうえに
▽「尿」ということばが不潔なイメージにつながり誤解や偏見を生んでいるなどとして、新たな呼び方を検討していました。

その結果、学術的に正しく、国際的にも受け入れられやすいことなどから英語の病名をカタカナにした「ダイアベティス」とする案でまとまったということです。

一方で、病名自体の正式な変更はすぐには難しいことから「ダイアベティス」という呼称は病気の啓発活動などの中で使っていくということで、今後1年程度をかけて、患者や行政をはじめ社会全体の合意を得ていきたいとしています。

会見に出席した日本糖尿病学会の門脇孝 理事は「将来的には正式な病名の変更も視野に入れている。呼び方として定着することで、行政的なことばも変わっていくと考えている」と述べました。