「インフル 4週間以内に大流行の可能性 対策を」小池都知事

東京都がインフルエンザの「流行注意報」を出したことについて、小池知事は「4週間以内に、大きな流行が発生する可能性が高い」として、新型コロナへの感染予防のためにも、換気や手洗いなどの対策を心がけるよう呼びかけました。

インフルエンザについて、東京都は21日、統計を取り始めた1999年以降、最も早く「流行注意報」を出しました。

これについて、小池知事は22日の記者会見で「今後4週間以内に、大きな流行が発生する可能性が高いことを教えてくれているので、十分な注意を行ってほしい」と述べ、新型コロナへの感染予防のためにも、換気や手洗いなどの対策を心がけるよう呼びかけました。

また、新型コロナの感染状況については「若干、落ち着きつつあるのではないか。ただ10代の感染が伸びているという状況だ。医療提供体制についても、病院内がバタバタしているということではない」と述べました。

都内の診療所ではインフルエンザ患者が急増

新型コロナウイルスの感染者数が多い状態が続くなか、インフルエンザの患者も急速に増え始め、都内の診療所は発熱などの症状を訴える患者の対応に追われています。

東京 中野区の「みやびハート&ケアクリニック」でも、先月にはほとんどいなかったインフルエンザの患者が今月に入って急に増え始めたということです。

今月1日から22日までに発熱などの症状がある患者97人を検査したところ、
▽新型コロナウイルスの陽性が41人、
▽インフルエンザの陽性が15人でした。

渡邉雅貴院長は、「この夏の猛暑による疲れで、免疫力が落ち、感染症にかかりやすくなっている可能性がある」としています。

このクリニックでは、通常の患者と同じように発熱などの症状がある患者も診ていますが、20日から始まった新型コロナのワクチン接種に加えて、来月からはインフルエンザのワクチン接種も始まる予定です。

渡邉院長は「正直なところ、年末並みの忙しさです。新型コロナの患者も多い中で、インフルエンザの患者さんが日々増えています。この時期にインフルエンザの流行は経験したことがない事態です」と話していました。

7都県で「注意報レベル」

インフルエンザの感染状況について、今月17日までの1週間に報告された1医療機関あたりの患者数は全国で7.03人と引き続き増加していて、7つの都県で「注意報レベル」となっています。

厚生労働省によりますと今月17日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は3万4665人で前の週からおよそ1.5倍に増えています。

1医療機関あたりの患者数は全国で7.03人で、地域ごとでは、
▽沖縄県が20.85人と最も多く、
次いで▽千葉県が14.54人、
▽愛媛県が12.07人、
▽佐賀県が11.95人、
▽東京都が11.37人などとなっています。

このうち7つの都県では今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを示す「注意報レベル」の基準値、10人を超えています。

感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は「しばらくは感染拡大が続く兆候がみられている。近く、全国で『注意報レベル』の10人を超える可能性もあり、来週や再来週の推移は特に注意する必要がある」と話しています。