“北朝鮮が盗んだ暗号資産 ロシアで資金洗浄か” 米分析会社

アメリカの暗号資産の分析会社は、北朝鮮がことしに入り、サイバー攻撃で盗んだ暗号資産の一部、2190万ドル相当をロシアの取引所に移していたことを突き止めたと、明らかにしました。両国がサイバー空間での資金洗浄で協力関係にあり、安全保障上の脅威になっていると指摘しています。

分析会社「チェイナリシス」のホームページより

北朝鮮は、当局の下部組織とされるハッカー集団がサイバー攻撃で世界中の企業から巨額の暗号資産を盗みだし、核・ミサイル開発の資金にあてている可能性が国連などで指摘されています。

アメリカの暗号資産の分析会社「チェイナリシス」によりますと、北朝鮮はことしに入り、2190万ドル相当の暗号資産をロシアの取引所に移したことがわかったということです。

資産は去年、アメリカのIT企業から盗み出したものの一部とみられ、欧米当局の制裁や取り締まりが強化される中、捜査が及びにくいロシアで資金洗浄を進めているとみられるとしています。

また、会社の分析では、北朝鮮がことしに入って盗み出した暗号資産はすでに3億4000万ドルあまりに上っているということです。

「チェイナリシス」のマイケル・グロナガーCEOは、両国がサイバー空間での資金洗浄で協力関係にあるとした上で「各国からの経済制裁を受けているロシアにとって、北朝鮮と協力することで失うものは何もない。関係は成長し、より強固なものになっており非常に憂慮すべき状況だ。マネーロンダリングを阻止し、資産を押収するための各国の政府の能力を向上させることが重要だ」と指摘しています。