全米自動車労組のスト 22日期限も拡大か 経済への影響に懸念

UAW、全米自動車労働組合は15日から続けている大手自動車メーカー3社に対するストライキについて、現地時間の22日正午までに労使交渉に進展がなければ拡大する方針を示し、アメリカ経済への影響が懸念されています。

UAW、全米自動車労働組合はアメリカの大手自動車メーカーのGMやフォード、それにクライスラーのブランドを傘下にもつヨーロッパのステランティスの3社との間で労使交渉が合意できず、15日に3社の組合員が初めて同時にストライキに突入しました。

ストライキは3社の3つの工場で続けられていますが、UAWのショーン・フェイン委員長は18日、ストライキが始まって1週間となる現地時間の22日の正午までに労使交渉に進展がなければ、ほかの工場の組合員にも参加を呼びかける形でストライキを拡大する方針を示しました。

労使交渉では組合側が4年間で40%の賃上げなどを求めたのに対し、経営側の回答は要求を下回っているということで、交渉が難航している背景には、長引くインフレに加えて、ガソリン車に比べて部品の数が少ないEV=電気自動車の普及が雇用の縮小につながることへの組合側の強い不安があるとみられます。

ストライキは19日の時点でも収束の見通しが立っておらず、アメリカ経済への影響が懸念されています。

トランプ氏 テレビ討論会欠席し 自動車産業労働者に演説計画

アメリカのメディアはトランプ前大統領が、来年の大統領選挙に向けて来週開かれる野党・共和党の候補者によるテレビ討論会を欠席し、自動車産業の労働者などに演説を行う計画だと伝えました。

民主党の支持基盤とされる労働組合員にアピールするねらいがあるとみられます。

アメリカの複数のメディアはトランプ前大統領の側近の話として、トランプ氏が野党・共和党の大統領候補が参加して来週27日に開かれる2回目のテレビ討論会を欠席し、同じ時間帯に中西部ミシガン州で自動車産業の労働者などに演説を行う計画だと伝えました。

アメリカでは、UAW、全米自動車労働組合が、自動車メーカー3社との労使交渉で合意できず、賃上げなどを求めてストライキを続けています。

労使交渉が難航する背景には、長引くインフレに加えて、EV=電気自動車の普及が雇用の縮小につながるとする組合側の強い不安があるとみられていて、トランプ氏としてはEVの普及を後押しするバイデン大統領を批判し、来年11月の本選挙をにらみ、民主党の支持基盤とされる労働組合員にアピールするねらいがあるとみられます。

トランプ氏は共和党内でほかの候補者を大幅にリードしているとして、先月行われた初めてのテレビ討論会も欠席していて、独自の活動を展開しています。