ガーシー元議員 初公判で謝罪 弁護側は常習性について争う姿勢

動画投稿サイトで芸能人などを繰り返し脅迫した罪などに問われているガーシー元参議院議員の初公判が東京地方裁判所で開かれ、元議員は起訴された内容について、「間違いありません」などと述べて謝罪しました。弁護側は脅迫行為について常習性はないとして一部、争う姿勢を示しました。

元参議院議員のガーシー、本名東谷義和被告(51)は去年2月から8月にかけて動画投稿サイトで芸能人など4人を繰り返し脅迫し、このうち2人の告訴を取り下げさせようと、その後、SNSの動画で「絶対許さん」などと脅したとして、暴力行為等処罰法違反の常習的脅迫などの罪に問われています。

19日に東京地方裁判所で開かれた初公判で、元議員は起訴された内容について「間違いありません。多大な精神的苦痛と経済的な損害を与え、大変申し訳ありませんでした。一生をかけて反省し、償っていきたい」などと述べ、傍聴席に向かって頭を下げて謝罪しました。

弁護側は脅迫行為について常習性はなく、より刑が軽い脅迫罪にとどまると主張しました。

検察は冒頭陳述で「元議員はひぼう中傷を伴う内容の動画を配信して一時は100万人を超える番組登録者を獲得し、多額の収入を得るようになった」と述べました。

また被害を受けた芸能人の調書が読み上げられ、芸能人は「精神が崩壊し、恐怖を覚え、自己肯定感がズタズタになった。ネット上のひぼう中傷がなくなるような判決を望みます」と話していました。

次回は10月30日に開かれる予定で、脅迫の常習性や刑の重さを争点に審理が進められる見通しです。

ガーシー元議員 これまでの経緯

ガーシー元議員は去年7月の参議院議員選挙で初当選しましたが、海外に滞在して国会の欠席を続けた結果、ことし3月に除名され、議員の資格を失いました。

除名の翌日、警視庁は動画投稿サイトを通じて著名人などを繰り返し脅迫したなどとして逮捕状をとり、その後、ICPO=国際刑事警察機構を通じて国際手配しました。

そしてUAE=アラブ首長国連邦の現地当局が元議員の身柄を拘束して帰国の手続きが取られ、ことし6月に警視庁が逮捕しました。

再逮捕を経てことし7月に2回目の起訴があり、その後も勾留が続いています。