“年収の壁” 解消に向け 本格的な議論へ 厚労省 審議会

いわゆる「年収の壁」の解消に向けて厚生労働省の審議会は、配偶者の扶養に入っている人が、年収106万円を超えても手取りが減らないような制度のあり方について、9月21日から本格的な議論を始めることにしています。

いわゆる「年収の壁」は、一定の年収を超えると配偶者などの扶養を外れ、社会保険料の負担が生じて手取りが減るもので、人手不足になる要因とも指摘されています。

このため、政府は当面の対策として、新たに106万円を超えた人の手取りが減らないように取り組んだ企業を助成する制度を、10月から期限を区切って行うことにしています。

一方で、中長期的な解決策も示す必要があるとして、厚生労働省の社会保障審議会・年金部会が今週から本格的な議論を始めることにしています。

この中では、通常、労使折半で負担する保険料を、本人の負担割合を軽減したり、事業主の負担分だけ求めたりすることなど、複数の選択肢を例示して検討する方針です。

また、負担を軽減した場合の年金の支給水準のあり方についても意見が交わされる見通しです。

ただ、扶養に入らずに働いている人との公平性や、企業の負担増への懸念など、多くの論点があることから丁寧に議論を進めることにしています。