墓を持たない家庭向けのサービス広がる 仮想空間の“墓”も

少子化などを背景に、墓地に建てた墓の維持や管理が難しいとして墓を持たない家庭が増えていると言われています。こうした中、デジタル技術などを活用した新しいサービスが広がりをみせています。

このうち川崎市のIT企業は、先月、墓に見立てたデジタル空間で亡くなった人の写真や動画などを、新しい技術を活用し永久的に保管できるサービスを始めました。

専用のQRコードを読み取ると、遺影や戒名とともに人柄を伝えるエピソードが紹介されます。

会社ではQRコードを寺院や霊園の納骨堂などに設置してもらうことも想定しているということです。

IT企業の藤澤哲雄代表は「お墓離れが進む中、仮想空間上に先祖の想いを残すことができるという新しいお墓だと思います」と話しています。

また福岡県新宮町の霊園が提供するのは、前方後円墳型の巨大な墓で納骨をまとめて管理するサービスです。

去年、1200人分の募集を行い、すでに1000人分以上が契約済みとなったことから、近く追加で販売を行う予定です。

およそ8割が生前の契約だということで、霊園では子や孫への負担を減らしたいと考える人が増えているのではないかとしています。

このほか大手仏壇メーカーでは、墓を持たずに自宅で供養する家庭が増えて居間に置くことができるモダンで小型の仏壇の需要が高まっているとしていて、新たなサービスや製品が広がりをみせています。