キム総書記きょう帰国か ロシアとの軍事的接近を印象づける

ロシアを訪問している北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は極東の中心都市ウラジオストクでロシア海軍の太平洋艦隊を視察するなど、ロシアと北朝鮮の軍事的なさらなる接近を印象づけています。キム総書記は17日にも訪問を終え、北朝鮮に向けて出発するものとみられます。

北朝鮮のキム・ジョンウン総書記は16日、専用列車で極東の中心都市、ウラジオストクを訪れました。

キム総書記は郊外の空港でロシアのショイグ国防相に出迎えられ、核兵器が搭載できる長距離戦略爆撃機ツポレフ95などを視察したということです。

さらに、ウラジオストク市内ではロシア海軍の太平洋艦隊のフリゲート艦を視察し、巡航ミサイル「カリブル」などの兵器について説明を受けたということです。

そして、16日夜はウラジオストク市内の劇場を訪れ、同行したコジェミャコ知事によりますと、キム総書記はチャイコフスキーのバレエ「眠れる森の美女」を鑑賞したとしています。

キム総書記は今月13日にロシアのプーチン大統領と首脳会談を行った後も極東地域に滞在して軍関係の視察を続け、ロシアと北朝鮮の軍事的なさらなる接近を印象づけています。

ロシアと北朝鮮との間の軍事技術協力について、北朝鮮のピョンヤンに駐在経験がある元外交官で、ロシア科学アカデミーの朝鮮研究センター、アレクサンドル・ジェービン氏はNHKのインタビューに対し、「軍事技術協力は秘密裏に行われる性質のものだ。さまざまな制限と可能性を考慮した上で計画が実現するのだろう」と述べ、首脳会談をきっかけに水面下で協力が進むという見方を示しました。

キム総書記は地元の知事らと意見を交わすなどしたあと、17日にも専用列車で北朝鮮に向けて出発するものとみられます。