リビア 大規模洪水 国連が国際社会に緊急の支援呼びかけ

北アフリカのリビアで発生した大規模な洪水について、大きな被害を受けた地元の市長は、これまでにおよそ8000人が死亡し、さらに多くの犠牲者が出ているおそれがあるとしています。国連は救助活動や医療体制の整備が求められているとして、国際社会に緊急の支援を呼びかけています。

11日に大雨による大規模な洪水が起きたリビア東部では、被害の範囲が広く、交通が寸断されているうえ通信状況も悪いことから、依然として被害の全容はわかっておらず、被災者の救助や支援も難航しています。

大きな被害を受けたデルナの市長は、NHKの取材に対してこれまでにおよそ8000人が死亡し「犠牲者の数は2万人以上に上るおそれがある」との見方を示しています。

国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は15日、スイスのジュネーブで記者会見を行い「全く異なる大惨事が起きた。衝撃的で何が起きたかは想像を絶する」と述べ、これまでに例を見ない災害で甚大な被害が出ているという見方を示しました。

そのうえで現地では泥や壊れた建物の中に取り残された人を救助する装備や、被災者のためのシェルターや食料が求められているほか、コレラのまん延も懸念され医療体制を整備する必要もあるとして、国際社会に緊急の支援を呼びかけました。