“無差別兵器は国際法違反 使用控えて” 国連 地雷対策責任者

ロシアの軍事侵攻によってウクライナで国際条約で禁止されたクラスター爆弾が使用される中、国連の地雷対策の責任者がNHKの取材に応じ、無差別に被害を及ぼす兵器は国際人道法違反にあたるとして、使用を控えるよう各国に訴えました。

日本を訪れているUNMAS=国連地雷対策サービス部のアイリーン・コーン部長は15日、都内でNHKのインタビューに応じました。

クラスター爆弾は殺傷能力が高く多くの不発弾を残し民間人にも被害を広げることから製造や使用を禁止する国際条約がありますが、条約に参加していないロシアがウクライナで使用しているほか、アメリカから供与されたウクライナ側も使用しています。

コーン部長は、ウクライナでクラスター爆弾による死傷者が増えている現状に強い懸念を示し「無差別兵器は、国際法違反と見なされ、争いの当事者たちは直ちに使用を控えるべきだ」と訴えました。

そして「こうした兵器がこの戦争で使われることで、禁止条約の精神が損なわれる懸念が広がっている。しかし、だからこそ無差別兵器が一般市民の生活に今後何十年も犠牲を強いると強調することが重要だ」と述べ、禁止条約の精神に立ち返るべきだとしています。

また、ミャンマーやシリアなどでもこうした兵器による犠牲が広がっているとして、条約に参加する日本を含む各国が使用の禁止や廃絶に向けた国際的な機運を改めて高めるよう協力を呼びかけました。