米タイム誌「次世代の100人」元陸上自衛官 五ノ井里奈さん選出

アメリカの雑誌「タイム」は、さまざまな分野で世界をリードすると期待される「次世代の100人」を発表し、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが選ばれました。

タイム誌は4年前から、社会的な活動を行っている人や芸術家など、若い世代を中心にさまざまな分野で活躍が期待される人を「次世代の100人」として独自に選出して発表しています。

13日に発表された「次世代の100人」では、所属していた部隊で複数の隊員から性被害を受けたと実名で訴えた、元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが、権利や尊厳を守るために活動した「擁護者」の部門で選ばれました。

五ノ井さんについて、タイム誌は、五ノ井さんの行動をきっかけに自衛隊内部のハラスメントに対して大規模な調査が行われ、他の多くの女性たちがみずからの話を名乗り出るようになったとしたうえで、「日本社会では、性暴力について声をあげることは長い間タブーとされてきたが、五ノ井さんの勇気がすべてのサバイバーに扉を開いた」と紹介しています。

このほか日本からは、両親が人権状況が懸念される中国の新疆ウイグル自治区出身で、日本銀行や国連本部の事務局に勤めてきた、衆議院議員の英利アルフィヤさんが、「指導者」の部門で選ばれました。

タイム誌は、国会議員の大半が男性で占められ、平均年齢が高い日本において、多様性を推進するまれな存在だとしています。

五ノ井さん「声あげ告発した行動を評価してもらえたと思う」

タイム誌の「次世代の100人」に選ばれたことについて、五ノ井里奈さんは「声をあげ、告発したという行動を評価してもらえたのだと思います。このことを力に変えて今後も頑張ります」とコメントしています。