寺田前総務相ら10人不起訴に 東京地検特捜部

寺田稔前総務大臣がおととし行われた衆議院選挙での労務費の支払いをめぐる公職選挙法違反などの疑いで告発されていた問題で、東京地検特捜部は、寺田前大臣や事務の担当者など10人を不起訴にしました。

寺田前総務大臣や関連する政治団体の担当者などは、▽おととしの衆議院選挙で地元議員などに選挙用のポスターを貼ってもらったことに対し労務費を支払ったことや、▽政治団体の会計責任者として亡くなった人を記載していたことなどをめぐって、市民グループや大学教授から公職選挙法違反や政治資金規正法違反の疑いで告発されていました。

東京地検特捜部は、寺田前大臣や事務の担当者から事情を聴くなどして捜査を進めた結果、6日、10人を不起訴にしました。

特捜部は、不起訴にした理由を明らかにしていません。

関係者によりますと、任意の事情聴取に対し、寺田前大臣はいずれの事案も関わっておらず、把握もしていなかったという趣旨の説明をしたということです。

寺田前大臣は、「厳格な捜査の結果、不起訴になったことを真摯(しんし)に謙虚に受け止めます。政治活動にまい進し支持者の期待に応えたい」というコメントを出しました。

寺田氏は、一連の問題を受けて去年11月に総務大臣を辞任していました。