中国向け水産物 7月の輸出額減少 2年半ぶり

ことし7月の中国向けの水産物の輸出額は、前の年の同じ月を23%余り下回り、2年半ぶりに減少しました。福島第一原発にたまる処理水の放出に中国が強く反対し、水産物の検査を強化したことが影響しました。

農林水産省の発表によりますと、ことし7月の中国向けの水産物の輸出額は77億円と、前の年の同じ月を23.2%下回りました。

福島第一原発にたまる処理水を海へと放出することに中国が強く反対し、水産物の検査を強化したことで、主な輸出品目のホタテの輸出が大きく減少したことなどが主な要因です。

日本にとって最大の輸出先の中国向けの輸出が単月として、前の年を下回るのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外食需要が減少した2021年1月以来、2年半ぶりです。

8月24日に処理水の放出が始まったことを受けて、中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことから中国向けの輸出はさらに減少することが予想されます。

日本政府は中国に対し規制の即時撤廃を求めるとともに、水産事業者への緊急支援策として今年度予算の予備費から207億円を支出することを決めていて、中国などに依存している輸出先の転換を後押しする方針です。