ゼレンスキー大統領「軍は前進」 ロシア軍は防衛線を強化

ウクライナ軍は南部ザポリージャ州でロシア側が支配する交通の要衝に向け反転攻勢を続けていて、ゼレンスキー大統領は「軍は前進している」と強調しました。これに対してロシア軍は防衛線を強化するとともに新たな部隊を展開し、激しい攻防が続くとみられます。

ウクライナ軍は8月下旬、ザポリージャ州のロボティネを奪還したと発表したあと、ロシア軍の拠点ベルボベなどに進軍しているとみられ、今後さらに南方に位置する交通の要衝トクマクを奪還できるかが焦点となっています。

マリャル国防次官は1日、地元メディアに対し「ロシア軍の第1防衛線を特定の複数の地点で突破した」と述べたほか、ゼレンスキー大統領も2日、SNSで「誰が何と言おうともウクライナ軍は前進している。これが最も重要なことだ」などと投稿し、反転攻勢は着実に成果を上げていると強調しました。

これに対してロシア国防省は2日、南部の前線でウクライナ軍の進軍を4度にわたって撃退したと発表しました。

またアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは2日、ロシア軍が地雷原に可燃性物質を流し込み、地雷を撤去しようとするウクライナ軍を無人機で攻撃して爆発を引き起こす戦術をとろうとしていると、伝えています。

さらにアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシア軍が東部ルハンシク州に配置していた部隊をザポリージャ州の前線に移動させたとしていて、南部で前進を目指すウクライナ軍とこれを阻もうとするロシア軍との間で激しい攻防が続くとみられます。

ロシア外務省 国連総会にラブロフ外相出席と発表

ロシア外務省は2日、アメリカ・ニューヨークで今月19日から始まる国連総会の一般討論演説にラブロフ外相が出席すると発表しました。

そのうえで「ロシアは、グローバル・サウスなどの国々とともに、公正で多極的な世界秩序を構築し、新植民地主義に対抗するための努力を続ける。残念ながら国連の舞台は欧米側の悪徳行為の場となり、非生産的で政治的な決定が推し進められている」などと批判し、国連外交を通じて欧米諸国に対抗していく考えを強調しました。

国連総会を巡っては、今月の国連安保理の議長国のアルバニアの大使が、ウクライナのゼレンスキー大統領が対面で出席する見通しを明らかにしていて、ロシアとウクライナの双方が激しく対立することが予想されます。