大相撲 稽古総見 4年ぶり一般公開 豊昇龍「大勝ちしたい」

大相撲の横綱審議委員会の稽古総見が4年ぶりに一般の観客を入れて行われ、新大関の豊昇龍らが力強い相撲を披露しました。

横綱審議委員会の稽古総見は国技館で開催される本場所の前に行われますが、新型コロナウイルスの影響で中止が続き、ことしの夏場所の前に3年ぶりに開催されました。

そして、2日行われた稽古総見は令和元年秋場所の前以来、およそ4年ぶりに一般にも公開され、朝早くから大勢のファンが詰めかけました。

このうち、新大関の豊昇龍は同じく大関の霧島や貴景勝などとあわせて14番相撲を取りました。

豊昇龍は霧島とは4番連続で相撲を取り、豊昇龍が力強く一気に寄り切る相撲を見せると、霧島も土俵際で残して逆転するなど、熱のこもった稽古となり、訪れたファンが声援や拍手などを送っていました。

霧島は幕内の稽古では最も多い17番、先場所は休場した貴景勝も12番相撲を取って順調な調整ぶりを見せていました。

また、先場所、腰のけがで途中休場した横綱 照ノ富士は相撲は取りませんでしたが、ぶつかり稽古で霧島に胸を出していました。

大相撲秋場所は東京・両国の国技館で今月10日に初日を迎えます。

豊昇龍「状態はいい できるだけ大勝ちしたい」

新大関の豊昇龍は稽古総見で4年ぶりに観客が入ったことについて、「新大関として出ることができてすごくうれしい。相手の圧力を感じながら稽古ができてよかった。状態はいい感じだ」と話しました。
2場所連続優勝を目指す秋場所に向けては、「番付が変わったが、対戦する人は変わらないので、いつもどおりでいきたい。できるだけ大勝ちしたい。お客さんが盛り上がるように頑張りたい」と意気込みを話しました。

大関 霧島は「大関3人で稽古をしてお客さんに喜んでもらおうと思っていた。みんなが見ているし、負けない気持ちでいい稽古をしたかった」と振り返りました。
横綱 照ノ富士にぶつかり稽古で胸を出してもらったことについては、「きつかったが、自分のためと思ってやりきれたのでよかった」と話しました。
角番で迎える秋場所に向けては、「状態は悪くない。角番とか考えずに、自分のことを信じてやっていこうと思う」と意気込みを示しました。

先場所、両ひざのけがで休場し、秋場所を角番で臨む大関 貴景勝は2日の稽古について、「気合いを入れて集中してやろうと思った。上どうしでやれることはあまりないのでいい日になった」と振り返りました。
けがの状態については、「全然大丈夫だ。実力があれば勝つと思うし、負けたら弱いだけだ。全力でいけるし、100%戦いに集中できる。今までやってきたことを集中して出し切れれば問題ない」と話しました。

一方、先場所、腰のけがで休場した横綱 照ノ富士は2日の稽古で相撲を取らなかったことについて、「見てのとおり、稽古までできない状態だが、できたら間に合わせたい。治療がゆっくりできる時間もなかったし、ここから調整したい」と話しました。
去年、手術をした両ひざの状態については、「だいぶよくなっている」と話していました。

山内委員長 照ノ富士を心配も「計り知れない力期待」

横綱審議委員会の山内昌之委員長は稽古総見で相撲を取らなかった横綱 照ノ富士について、報道陣から「心配か」と問われて、「そうですね」と応じた上で、「ああいう力のある人間はわれわれの計り知れない力を蓄えていると思うので、そういう力を発揮することを期待したい」と話しました。

4年ぶりに観客を入れて稽古総見が行われたことについては、「とてもいい雰囲気だった」と笑顔を見せました。

「すごい迫力」 「ようやく来ることができた」

4年ぶりに観客を入れて稽古総見が行われたことについて60代の女性は「すごく迫力があって、間近で取り組みが見られてとてもよかったです。大関どうしの取組はふだんはあまり見られないので、たくさん見ることができてよかったです」と話していました。

長年の大相撲ファンだという80代の男性は「ようやく来ることができてよかったです。以前と変わらない活気がありました。本当にありがたいです」と喜びをかみしめていました。