ロシア 新型ICBMを実戦配備 ベラルーシで5か国合同軍事演習

ロシアのプーチン政権は複数の核弾頭を搭載できる新型のICBM=大陸間弾道ミサイルの実戦配備を表明し、核戦力を誇示することで、ウクライナへの軍事支援を強めるアメリカなどをけん制するねらいがあるものとみられます。

反転攻勢を続けるウクライナ軍は8月に奪還を発表した南部ザポリージャ州の集落ロボティネに続き、東や南にそれぞれ部隊を前進させている可能性があり、今後、南方に位置する交通の要衝トクマクにまで迫れるか注目されています。

一方、ロシアでは、国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」のボリソフ社長が9月1日、複数の核弾頭を搭載できる、新型のICBM=大陸間弾道ミサイル「サルマト」が実戦配備されたと表明しました。

「サルマト」はウクライナへの軍事侵攻が続く中、去年4月、発射実験に成功したと発表され、プーチン大統領はことし6月、近い将来実戦配備されるという見通しを示していました。

プーチン政権としては核戦力を誇示することで、ウクライナへの軍事支援を強めるアメリカなどをけん制するねらいがあるものとみられます。

また、ロシアと同盟関係にある隣国ベラルーシでは9月1日から6日までの日程で、ロシアが主導する軍事同盟のCSTO=集団安全保障条約機構の加盟国による合同軍事演習が始まりました。

演習はロシアとベラルーシに加え、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの5か国、2500人以上の兵士が参加し、6か所の演習場で実施されるということで、ロシアとしてはNATO=北大西洋条約機構との対立が深まる中、勢力圏とみなす旧ソビエト諸国の軍事的な連携を誇示したい思惑とみられます。

ただ、演習には、加盟国の一つ、アルメニアが参加しておらず、ウクライナへの侵攻後、ロシアの影響力が低下しているとも指摘されています。