「ロシア義勇軍」司令官 “支援の目的が不明瞭”欧米側を批判

ロシアのプーチン政権に反対し、ウクライナの側に立ってロシアと戦闘を続けている「ロシア義勇軍」の司令官がNHKのインタビューに応じました。

この中で、ウクライナへの軍事支援を続けている欧米側の対応について「勝つために必要なだけの兵器を与えていない」と述べ、ロシアを敗北させてウクライナを勝利に導く覚悟があるのか支援の目的が不明瞭だとして批判しました。

「ロシア義勇軍」の創設者で、司令官としても戦闘に加わっているデニス・カプースチン氏が先月、ウクライナの首都キーウでNHKの単独インタビューに応じました。

この中でカプースチン氏は祖国のロシアと戦う理由について「『ポスト・プーチン』の新しい国家を建設するという目標もある」と主張しました。

その上で、ことし3月から6月までの間にあわせて4回、ウクライナからロシアの国境地域に越境攻撃を行ったと明らかにしました。

攻撃は自分たちの判断で行い、ウクライナ側に事前に通告したとしています。

また、ロシア国内で相次ぐ無人機攻撃については関与しているのか明言しませんでしたが「戦争に反対せず、沈黙していたからこそ無人機が飛んできたと気付くべきだ」と述べ、ロシア人に当事者意識を抱かせ、反戦の動きを起こすことがねらいだとしています。

一方、ウクライナでの戦闘について「ロシア軍の完全撤退が目標だ」と述べ、ウクライナ軍と緊密に連携して後方支援などを担っていると明らかにしました。

その上で、カプースチン氏は、ウクライナへの軍事支援を続けている欧米側の対応について「負けないための兵器は与えているが、勝つために必要なだけの兵器を与えていない。不明瞭であいまいな状況になっていることが反転攻勢の遅れにつながっている」と述べロシアを敗北させてウクライナを勝利に導く覚悟があるのか支援の目的が不明瞭だとして批判しました。

一方、ロシアの民間軍事会社ワグネルのトップ、プリゴジン氏について「ロシアの愛国者だ。彼はほかのロシア軍の将校たちとは違って正直に前線に立っていた」と評価しました。

カプースチン氏は、プリゴジン氏が乗った自家用ジェット機が墜落した翌日の先月24日、SNSを通じてワグネルの戦闘員たちに対し「あなたたちの指揮官を殺害した者に仕えるのか、かたき討ちをするのか」と訴え、ロシア義勇軍への合流を呼びかけました。