北朝鮮 キム総書記 軍の指揮所を視察 米韓への対決姿勢鮮明に

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、全軍が参加して行われている訓練の指揮所を視察しました。韓国の占領を目標とする作戦計画の文書などを確認したとしていて、合同軍事演習を続けるアメリカと韓国への対決姿勢を一段と鮮明にしています。

31日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、キム・ジョンウン総書記が29日、軍の総参謀部の指揮所を視察し、この日から全軍が参加して行われている訓練の進行状況を把握したと伝えました。

訓練はアメリカ軍と韓国軍が今月21日から31日まで続けている合同軍事演習に対応したもので、キム総書記は韓国を指す、「南半分」の占領を目標とする作戦計画の文書を確認したということです。

また、韓国の同盟国アメリカなどを念頭に、有事の際の「海外武力」による介入を破綻させる計画なども具体的に検討したとしていて、「労働新聞」の紙面には、朝鮮半島の地図を指し示しながら、軍の幹部に話をするキム総書記の写真が掲載されています。

この中でキム総書記は「作戦の初期に敵の指揮拠点に甚大な打撃を加え、敵の戦意や能力をまひさせることに最も目を向けるべきだ」と強調したということです。

これに先立って、キム総書記は今月27日に海軍の司令部を訪れて演説し、海軍への戦術核兵器の配備を進めていく方針を示したばかりで、北朝鮮に対する抑止力や対処力の強化を進める米韓両国への対決姿勢を一段と鮮明にしています。

北朝鮮 最高人民会議を来月26日に招集と発表

北朝鮮は各地の代表からなる最高人民会議を来月26日に招集すると、31日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」などを通じて発表しました。

最高人民会議は国の予算や法律などを審議するため、年に1回から2回、開かれていて、ことしの開催は1月以来、およそ8か月ぶりで、2回目となります。

今回の会議では農業のてこ入れのために重視している、かんがいに関する法律などを採択するほか、人事に関する問題も討議されるとしています。

一方、去年9月に開かれた会議では、核兵器の使用の条件などを盛り込んだ法令を予告なしに採択した経緯があり、拍車をかけている核・ミサイル開発が議題となるのかどうかも注目されます。