「震災遺構」の仙台 荒浜小学校 訪問者が50万人に

東日本大震災の津波の脅威を伝える「震災遺構」となっている仙台市の荒浜小学校を訪れた人が29日、50万人に達しました。

仙台市若林区の荒浜小学校は、東日本大震災で4階建ての校舎のうち2階まで津波が到達した建物です。

仙台市が津波の脅威や教訓を伝えようと、校舎を当時のまま保存し、6年余り前から震災遺構として一般に公開していて全国から見学者が訪れています。

29日、震災学習で訪れた仙台市立長町南小学校の5年生111人で訪問者が50万人に達しました。

小学生たちは、津波でむき出しになった柱がそのまま残る教室や、折れ曲がったままのベランダの柵など津波の痕跡が残る施設を見学して震災の脅威を感じていました。

見学のあと、小学生は50万人目の来場者への記念品としてタオルハンカチなどを受け取っていました。

見学した女の子は「きょうの見学を通して津波は怖いなと改めて思いました。災害の時にどうやって避難したらいいか考えるきっかけになりました」と話していました。

仙台市防災環境都市推進室の田中智洋担当課長は「訪れた人が50万人に到達したことは災害や震災への関心の高さをあらわしていると思います。今後はきょうの小学生のような震災を知らない人への発信に力を入れていきたいです」と話していました。