日本経済「デフレ脱却へのチャンスが訪れている」経済財政白書

今年度の「経済財政白書」がまとまり、日本経済は「デフレ脱却に向けたチャンスが訪れている」として、物価や賃金の持続的な上昇に向けて労働者の生産性や、企業の収益力を高める重要性を指摘しています。

政府は、日本経済の現状や課題をまとめた今年度の「経済財政白書」を29日に公表しました。

この中で、日本経済は輸入価格の上昇をきっかけに物価が上がり、ことしの春闘でも高い水準の賃上げが実現したとして、「物価や賃金が動き出しつつある。デフレ脱却に向けたチャンスが訪れている」としています。

ただ、低所得世帯を中心に物価上昇に伴って消費を抑制する動きがみられるほか、サービス関連の価格の上昇ペースは依然として緩やかだとしています。

白書では、こうした背景にある長く続いたデフレマインドを払拭(ふっしょく)し、物価と賃金を持続的に上昇させる取り組みが求められるとしています。

そして、労働者が賃金水準を高めるため、学び直しを通じて生産性を向上させることや、企業が賃金や価格を適切に引き上げられるよう収益力を伸ばすことが重要だと指摘しました。