2人不明の貨物船衝突事故 運輸安全委が調査を開始 和歌山

24日、和歌山県沖で貨物船どうしが衝突し、1隻が転覆した事故で、海上保安本部は、行方が分からない2人の捜索を続けています。一方、事故の原因を調べるため国の運輸安全委員会が現地での調査を始めました。

24日、和歌山県美浜町の沖合15キロの紀伊水道の海上で、東京の海運会社が所有する貨物船「いずみ丸」(499トン)とリベリア船籍の貨物船(9940トン)が衝突しました。

「いずみ丸」は転覆し、乗っていた5人のうち、50代の船長と60代の一等航海士が行方不明になっていて、第5管区海上保安本部が26日も捜索を続けています。

海上保安本部によりますと「いずみ丸」はその後、海中に沈んだことが確認されたということです。

一方、国の運輸安全委員会の船舶事故調査官3人が26日現地を訪れ、和歌山市の港にえい航されたリベリア船籍の貨物船の調査を始めました。

この貨物船には、ロシア人とフィリピン人、合わせて18人が乗船していたということで、事故当時の状況を聞くとともに、船の位置や速度などを記録した「VDR」と呼ばれる装置からデータを回収し、事故のいきさつを詳しく調べることにしています。

運輸安全委員会の笛田孝仁船舶事故調査官は「乗組員たちへの聞き取りと船の損傷を確認しました。今後も調査を続け原因の解明に努めたい」と話していました。