ロシア大統領府 プリゴジン氏搭乗機墜落 政権関与を全面否定

ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が自家用ジェット機の墜落で死亡したとみられている中、ロシア大統領府は「欧米側の臆測はまったくのウソだ」として、プーチン政権が墜落に関与したとする見方を全面的に否定しました。

ロシア北西部で23日に起きた自家用ジェット機の墜落について、連邦捜査委員会は25日、現場で10人の遺体が発見されDNA鑑定などによる身元の確認を急ぐと発表し、飛行データを記録したフライトレコーダーも回収されたと明らかにしました。

この墜落で、ことし6月に武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏が搭乗していて死亡したとみられており、ロシアのプーチン大統領は24日、哀悼の意を表しました。

ロシア各地では25日、ワグネルの事務所などを人々が追悼に訪れ、首都モスクワ中心部のクレムリンの近くでもプリゴジン氏らの写真を前に花を手向ける市民の姿が見られました。

今回の墜落について、アメリカの複数のメディアは、機内に仕掛けられた爆発物による可能性があると伝えているほか、ロシアの治安機関が関与した可能性が高いという見方も報じられています。

こうした中、ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日、記者団に対し「欧米側で出ている臆測はすべてまったくのウソだ」と述べ、プーチン政権が墜落に関与したとする見方を全面的に否定しました。

また、プーチン大統領が、プリゴジン氏は墜落の前日にアフリカから帰国したばかりだったと述べたことに関連して、記者から「大統領は最近、プリゴジン氏と会ったのか」と尋ねられたペスコフ氏は、この点についても否定しました。

一方、ロシアと同盟関係にある隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領は25日、記者会見で「プーチン大統領がやったとは思えない。彼は慎重で冷静な人物だ」と述べ、プーチン政権の関与はなかったと擁護しました。

また「ワグネルはベラルーシで存続し、われわれと共に働くだろう」と述べて、ワグネルの戦闘員が今後もベラルーシで訓練などを続けていくことになるという認識を示しました。