和歌山県沖 貨物船衝突し日本の船転覆 2人行方不明 海保が捜索

24日夜遅く、和歌山県沖の海上で日本船籍の貨物船とリベリア船籍の貨物船が衝突し、日本船籍の船が転覆しました。乗組員5人のうち3人は救助されましたが、2人の行方が分からなくなっていて、第5管区海上保安本部は現場周辺に加え、転覆した船の内部も捜索しています。

24日午後11時40分ごろ、和歌山県美浜町の沖合15キロの紀伊水道の海上で東京の海運会社が所有する貨物船「いずみ丸」499トンとリベリア船籍の貨物船が衝突し、「いずみ丸」が転覆しました。

第5管区海上保安本部によりますと、「いずみ丸」には30代から70代の日本人の男性乗組員5人が乗っていましたが、このうち3人は救助され、いずれも命に別状はないということです。

一方、海運会社によりますと、50代の船長と60代の一等航海士の2人の行方は依然として分かっていないということです

関係者によりますと、2人は事故の前、操縦室にいた可能性が高いということで、海上保安本部は現場周辺に加え、25日昼すぎからは特殊救難隊を出して転覆した船の内部も捜索しています。

運輸安全委 調査官派遣へ

この事故で、国の運輸安全委員会は調査官3人を現地に派遣することを決めました。

運輸安全委員会によりますと、調査官は26日から関係者の聞き取りなどを行う予定だということです。

船体のほとんどが沈んだ状態に

NHKのヘリコプターが25日午後2時ごろに現場付近の上空から撮影した映像では、転覆した貨物船「いずみ丸」は船体のほとんどが海に沈み、海面から赤い船底の一部だけが見える状態になっています。

付近では、海上保安部の巡視船などが捜索を行っている様子も確認できます。

一方、リベリア船籍の9940トンの貨物船はきょう午後1時45分ごろ、タグボートにえい航されて和歌山市の和歌山下津港に入りました。

ヘリコプターからの映像では、船の前方にへこんでいる部分があるのが確認でき、白いヘルメットをかぶった2人が確認作業にあたっていました。