ハワイ 山火事 発生から2週間 身元確認が急務

ハワイのマウイ島の山火事は、22日で発生から2週間となりました。亡くなった人はこれまでに115人にのぼっていますが、身元が判明した人は35人にとどまっていて、確認の加速が急務となっています。

8月8日にハワイ・マウイ島で起きた山火事では、観光地のラハイナとその周辺の住宅地が大きな被害を受け、これまでに115人が亡くなりました。

しかし、遺体の損傷が激しいことなどから21日時点で身元が判明した人は35人にとどまっています。

地元の自治体などは、行方がわからない人たちの家族とのDNAの照合を進めるため、被災者が避難しているホテルでDNAのサンプル採取ができるようにするなどして、身元の確認を加速させようとしています。

また、損壊した住宅はおよそ1500棟に上り、多くの人は親類や友人の家などに身を寄せていますが、住宅の再建には時間がかかることが見込まれる中、仮の住まいの確保も課題となっています。

21日には、バイデン大統領がマウイ島を訪れ、被災者たちと面会し、地元の人の要望を聞いたうえで復興を進める考えを強調していて、マウイ郡などは連邦政府からの支援を受けながら、被害が拡大した原因の究明を急ぎ、街の再建策を検討していくことにしています。

自宅消失で親類の家に身を寄せる人は

山火事が発生してから2週間を迎えたハワイのマウイ島では、自宅が焼失し、親類の家に身を寄せる人も大勢います。

甚大な被害を受けたラハイナに住んでいた、タニア・アンポンさん(56歳)は、94歳の父親と妹や孫などとともに暮らしていましたが、今回の山火事で家を失いました。

親類が山火事の発生から2、3日後に撮影したという自宅の写真には、燃え尽きて基礎の部分だけが残った変わり果てた様子が写っていました。

現在は、娘の家に11人で避難しています。

アンポンさんの高齢の父親は、いつになったら家に帰れるのかと繰り返し尋ねるということで、「父は自宅に帰りたい、でももう帰る家がないんです。完全に燃え尽きてしまったのですから」と涙ながらに話していました。

アンポンさんは、長い時間がかかったとしても、また同じ場所に自宅を再建したいと考えているということです。