原発処理水放出 全漁連会長 “安全性への理解深まるも反対”

東京電力福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画をめぐり、西村経済産業大臣と、全漁連=全国漁業協同組合連合会の会長が面会しました。この中で全漁連側は、処理水の安全性への理解を深めてきたとしながらも放出には反対する立場を重ねて示しました。

西村経済産業大臣は21日午後、都内で全漁連の坂本雅信会長と面会しました。

この中で、西村大臣は「福島第一原発の廃炉を進めていく、そして福島の復興を進めるためには、処理水の処分は先送りできない課題だ。風評影響や漁業の継続に対するさまざまな不安や懸念に対処すべく、処理水の処分が完了するまで、全責任をもって対応したい」と述べ、改めて放出に理解を求めました。

これに対して坂本会長は「処理水の海洋放出については依然として反対するという立場を堅持する。ただ、IAEA=国際原子力機関の報告書などによって、処理水の安全性について理解を深めてきた」と述べました。

そのうえで、「しかしながら処理水がいったん放流されれば廃炉に向かって数十年の長きにわたって放流されることが懸念され、大変な不安、懸念を持っている。私たちの唯一の望みは平穏に漁業を続けていくことだ」と述べ、安全性への理解を深めてきたとしながらも放出には反対する立場を重ねて示しました。