北海道 蘭越町の蒸気噴出 “18日夕方から弱まる” 掘削会社

北海道蘭越町の掘削現場で蒸気が噴出して高い濃度のヒ素などが検出されている問題で、掘削を行っていた会社は、噴出を抑える作業を進めた結果、18日夕方から蒸気の噴出が弱まったことを明らかにしました。

蘭越町にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、ことし6月29日以降、蒸気の噴出が続いていて、現場からは高い濃度のヒ素などが検出されています。

掘削を行っていた三井石油開発は、蒸気の向きを横方向に変えるための装置をかぶせる作業などを行った上で、今月12日からは噴出を抑えるための冷却用の水を注入する作業を開始しましたが、当初見込んでいた明確な効果が表れず、13日に継続的な注水を中断していました。

三井石油開発によりますと、その後、18日夕方から作業方法などを変更した上で注水作業を再開したところ、蒸気の噴出が弱まったということで、19日も噴出はほとんど見えない状態だということです。

蒸気の噴出をめぐっては、これまでに地元住民や現場の作業員などあわせて19人が頭痛や目の痛みなどを訴えているほか、周辺の森林の一部、7.5ヘクタールが茶色などに変色しているのが確認されています。

地元の農家などからは農作物に対する風評被害を懸念する声も上がっていて、会社では、しばらく注水作業を続けるとともに、今月下旬までに井戸の埋め戻し作業を完了させたいとしています。