【詳細】日米韓首脳 共同記者会見

※会見は日本時間の午前4時14分から53分間行われました。

岸田総理大臣は、アメリカのバイデン大統領、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領との首脳会談後の共同記者会見で「今、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が危機にひんしている。ロシアによるウクライナ侵略により、国際社会は根幹が揺るがされている。東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みは続き、北朝鮮による核・ミサイルの脅威はますます増大している」と指摘しました。

その上で、「こうした状況において、日米韓3か国の戦略的連携の潜在性を開花させることは必然で、時代の要請でもある。われわれ3人は『日米韓パートナーシップの新時代』をひらいていく決意を示す。日米同盟と米韓同盟の連携を強化し、日米韓3か国の安全保障協力を新たな高みへ引き上げる。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くため、今後とも日米韓3か国の戦略的連携の一層の強化に取り組んでいく」と述べました。

今後の日韓関係については、「日韓両国は国際社会の課題の対処に協力していくべき重要な隣国どうしで、ユン大統領との友情と信頼関係のもと、パートナーとして力を合わせて新しい時代を切り開いていきたい。安保や経済を含むさまざまな分野で前向きで具体的な取り組みが、すでにダイナミックに動いている。こうした取り組みをひとつひとつ積み上げることで、さらに関係を強化していきたい」と述べました。

日中関係については、「去年11月の首脳会談で得られた前向きなモメンタムを維持しながら主張すべきことは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案を含めて対話をしっかりと重ね、共通の課題では協力する建設的かつ安定的な関係を双方の努力で構築していくことが、私の政権の一貫した方針だ。こうした考えに基づいて、地域の安定に向け努力を続けていく」と述べました。

バイデン大統領「毎年、首脳レベルで会談を行う」

バイデン大統領は共同記者会見で3か国による今回の首脳会談について「とてもすばらしい会談だった」と述べるとともに「この会談は私が大統領としてキャンプ・デービッドで行う初めての会談だ。新たな始まりや可能性の力を長い間にわたって象徴してきた場所であり、協力の新たな時代を始めるのにこれほどふさわしい場所はない。この先、われわれは揺るぎない結束と比類のない決意で共に可能性をつかんでいく。これは1日、1週間、1か月の話ではなく、何十年にもわたって築き上げていく関係だ」と述べました。

また、日韓の関係改善を念頭に「日本と韓国、そしてアメリカとの緊密な関係の中で長い間立ちはだかっていた困難な問題を解決するために、2人が示した政治的な勇気をたたえたい。アメリカの全面的な支援のもと、2人のリーダーシップがわれわれをここにもたらした」と述べました。

会談の成果について「毎年、首脳レベルで会談を行うほか、閣僚が定期的に会談することを約束した。ことしや来年だけでなく、この先ずっとだ」と述べ、3か国の会談を定例化することで合意したと明らかにしました。

また「さまざまな領域で毎年、軍事訓練を行うなど、3か国の防衛協力をかつてないレベルまで高める。北朝鮮のミサイル発射やサイバー攻撃に関する情報共有や弾道ミサイルに対する防衛協力を強化する。そして何より重要なことは、私たちの国のいずれかに脅威が発生した場合、互いに迅速に協議することを約束したことだ。つまりホットラインを設ける」と述べました。

さらに北朝鮮について「暗号資産による資金洗浄やウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの武器の供与の可能性など、北朝鮮への脅威に立ち向かい続ける」と述べました。

バイデン大統領はまた覇権主義的な行動を強める中国を念頭に「われわれは台湾海峡の平和と安定を維持し、経済的な威圧に対処していくことを確認した。われわれは、国際法、航行の自由、そして南シナ海における紛争の平和的な解決を支持する」と述べました。

ロシアへの懸念示す

さらにウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアについて「すでに負けている」と述べるとともに「もしわれわれが軍事侵攻を見過ごせば台湾に関して中国にどのようなメッセージを送ることになるか」と述べ、軍事侵攻への対応が不十分であれば中国に誤ったメッセージを送りかねないと懸念を示しました。

拉致問題「共に取り組み続ける」

また、拉致問題については「去年5月に日本を訪問した際に拉致被害者の家族と面会し、彼らの痛みや思いを感じ取った。まだ心配して待ち続けている多くの家族がいることを理解している。われわれは彼らやその愛する人たちのことを忘れない」と述べました。

その上で「われわれは立場を共有している。拉致された人たち全員が帰ってくるまで共に取り組み続けていく」述べました。

ユン大統領 北朝鮮のサイバー攻撃への対応強化

ユン大統領は「北の違法な資金の調達を阻止するため、サイバー活動に対応するための実務者によるグループを新設する」と述べ、日米韓の3か国で北朝鮮のサイバー攻撃への対応を強化すると明らかにしました。

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題については、韓国政府が進める解決策が国内では反対の世論もあると認めつつ、「国民は何よりも未来志向の観点から、日本との関係改善と3か国の協力が、安全保障と経済発展にとても重要だという共通認識を持っている」と述べました。

処理水の放出「透明性のあるチェック必要」

またユン大統領は、福島第一原発にたまる処理水を薄めて海に放出する計画について今回の首脳会談では議題にならなかったとした上で、「科学に基づき透明性のある過程を通じて処理されなければならない。国際的に評価されているIAEA=国際原子力機関の調査結果を信頼しているが、日本や韓国を含む国際社会による責任ある、そして透明性のあるチェックが必要だ」と述べ、引き続き注視していく立場を示しました。