「キャンプ・デービッド」どんな場所? 過去の“歴史的会談”

日米韓3か国の首脳会談が開催されるアメリカのキャンプ・デービッドは、首都ワシントン郊外にある大統領専用の山荘です。バイデン大統領がキャンプ・デービッドに外国の首脳を招くのは、今回の日米韓首脳会談が初めてです。

キャンプ・デービッドはこれまでもアメリカの大統領が外国の首脳をゲストとして招き、打ち解けた雰囲気で会談を行う際に利用されてきました。

日本の総理大臣として初めて招かれたのは、1986年、当時の中曽根総理大臣で、レーガン大統領と日米首脳会談を行いました。両首脳は互いに「ロン」「ヤス」と愛称で呼び合う間柄まで個人的な関係を築きました。

その後、2001年に当時の小泉総理大臣が、2007年には安倍総理大臣がそれぞれキャンプ・デービッドを訪れ、ブッシュ大統領と首脳会談を行っています。

このうち、小泉総理大臣はブッシュ大統領から革製のジャンパーと大統領直筆のサインが入った野球のボールを贈られ、2人はキャッチボールを楽しみました。

2012年には、当時のオバマ大統領がロシアが排除される前のG8=主要8か国の首脳会議を開き、野田総理大臣をはじめとする各国の首脳を招きました。このときの夕食会では、誕生日を迎える野田総理大臣にオバマ大統領からケーキが贈られ、各国の首脳らに祝福される一幕もありました。

歴史的な首脳会談が行われてきたことでも知られていて、1978年、当時のカーター大統領は、エジプトのサダト大統領とイスラエルのベギン首相を招き、敵対関係にあった両国の平和条約の締結などを取り決めた「キャンプ・デービッド合意」をまとめました。

また、東西冷戦期だった1973年、アメリカのニクソン大統領はソビエトのブレジネフ書記長を招き、アメリカ製の乗用車を贈呈しました。

ブレジネフ書記長はその場でニクソン大統領を助手席に乗せて試乗し、ニクソン大統領が速度を落とすよう求めたにもかかわらず、敷地内の道路を時速80キロ以上で運転したということです。

ニクソン大統領はこのときの状況について「外交は必ずしも簡単ではない」と振り返っています。

ニクソン大統領とブレジネフ書記長は、その後米ソ両国が核戦争の防止に取り組むことを約束した協定に署名しました。

“バイデン大統領 日韓2か国との関係重視”

アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は、今回の会談をキャンプ・デービッドで開催する理由について「キャンプ・デービッドは歴史的で重要な首脳会談が行われてきた。バイデン大統領は岸田総理大臣とユン大統領の政治的な勇気や日韓関係を改善するために行われてきたすべての努力をたたえると同時に、バイデン大統領自身が2か国との関係をいかに重視しているのかを示すのにふさわしい場だと実感したからだ」と述べました。