高校野球 慶応が広陵に延長10回競り勝つ ベスト8に進出

夏の全国高校野球、大会10日目の第2試合は、神奈川の慶応高校が広島の広陵高校に延長10回タイブレークの末、6対3で競り勝ってベスト8に進みました。

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慶応は1回に5番の延末藍太選手の2点タイムリーヒットで先制し、3回にも1点を追加して試合を優位に進めました。

対する広陵は先発の2年生エース、高尾響投手が尻上がりに調子を上げて4回以降は得点を与えず、打線も1点ずつ奪って迫り7回には内野ゴロの間に得点して同点に追いつきました。

試合は3対3で延長に入り、ノーアウト一塁、二塁から始まるタイブレークで行われた10回、慶応は延末選手が2点タイムリーヒットを打つなど3点を勝ち越しました。

延末選手はこの試合、5打点を挙げる活躍でした。

そのウラは、3人目の松井喜一投手が3つのアウトすべてを三振で奪っておさえました。

慶応が広陵に6対3で競り勝って2008年以来、15年ぶりにベスト8に進みました。

《両チーム談話》

慶応 延末藍太選手「打つことができてよかった」

慶応の延末藍太選手は2本のタイムリーヒットを打つなど5打点の活躍でした。タイブレークで行われた延長10回の2点タイムリーについては「前の打席、インコースのまっすぐで抑えられていたので、この打席もどこかでインコースのまっすぐが来ると思って打席に入りました。打つことができてよかったです」と話していました。

一方、中盤以降、9回まで得点を奪えなかったことについては「相手の高尾投手は後半になっても球威が落ちず、制球がよくなっていたと思います。序盤に得点できましたが、中盤以降に狙いを決めず、むだにした打席があったと思います」と振り返っていました。

慶応 松井喜一投手「三振が取れてよかった」

同点の9回から3人目としてマウンドに上がり、タイブレークの延長10回はすべてのアウトを三振で奪った慶応の松井喜一投手は「タイブレークの場面は、ダブルプレーを狙っていましたが、強い球を投げ込むことができ、三振が取れたのでよかったと思います」と振り返りました。

16日は5打点の活躍を見せた延末藍太選手とは、中学校からのチームメートだということで「次の試合でも打ってくれると思うので、自分も強い球を投げ込んでいいピッチングをしたい」と話していました。

広陵 小林隼翔主将「勝ちきれず悔しい」

広陵のキャプテンの小林隼翔選手は「粘り強い野球ができるように1年間やってきましたが、勝ちきることができなくて悔しいです。守備を大事にしてきましたが、10回に守備のミスが出てしまったのと、最後までチャンスがあったなかで一本を出し切ることができなかったのが、自分たちの弱さだったと思います」と振り返りました。

甲子園については「楽しく野球ができる場所でした。後輩たちには、自分たちが達成できなかった日本一をとってほしいと思います」と話していました。

広陵 高尾響投手「先輩たちに声かけてもらい助けられた」

広陵の2年生でエースの高尾響投手は一人で10回、152球を投げ抜きました。3回までに3点を失いましたが、4回以降、9回まで0点に抑えたことについて「先輩たちから自分たちが点を返すと言われて、気持ちをさらに入れて投げることができました。最初は下半身のバランスが悪く安定しなかったので、足を高く上げることを意識して修正しました」と振り返りました。

2年生エースとして甲子園を経験できたことについて「苦しい場面でも先輩たちが声をかけてくれて助けてもらったので、そういう部分は、自分の学年でも後輩たちにできるようにしたいです」と決意を新たにしていました。