東海道新幹線 山陽新幹線 全線で運転再開も夜まで混雑続く

台風7号の影響で15日は計画運休を実施した東海道新幹線と山陽新幹線。

16日、東海道新幹線と山陽新幹線は、通常運転を予定していましたが、静岡県内で降り続いた雨の影響で、東京駅と博多駅の間の全線で上下線とも一時運転を見合わせました。

16日午後2時すぎに全線で運転が再開されましたが、最大で5時間半にわたって運転の見合わせが続きました。

さらに、運転再開後も東海道新幹線と山陽新幹線の直通運転は終日取りやめる対応が取られるなどダイヤは大幅に乱れ、新大阪駅などでは夜まで大規模な混雑が続きました。

東海道新幹線 最大で7時間以上の遅れ 直通は中止

16日午前8時半ごろ、東海道新幹線の静岡県内の一部の区間で雨の量が規制値を超えたため三島駅と静岡駅の間の上下線で運転を見合わせました。

運転見合わせの区間は順次拡大し、東海道新幹線と山陽新幹線は東京駅と博多駅の間の上下線で午前9時半ごろから運転見合わせとなりました。

その後、山陽新幹線は午後0時半ごろ、新大阪駅から博多駅の上下線で運転を再開し、午後2時10分には東海道新幹線が東京駅と新大阪駅の上下線で運転を再開しました。

一方、東海道新幹線と山陽新幹線の直通運転は終日取りやめる対応が取られています。

JR東海によりますと、東海道新幹線では午後6時時点で最大で7時間以上の遅れが出ているとみられています。16日のこのあとの運行については、雨の状況によっては運転を取りやめる可能性があるとしてきょうの利用は可能な限り控えるよう呼びかけています。

また、17日の運行については現時点では見通せない状況で、ホームページなどで最新の情報を確認してほしいとしています。

日本航空 福岡から羽田に向かう臨時便の運航決定

東海道新幹線と山陽新幹線が一時、全線で運転を見合わせたことを受けて、日本航空は16日夜、福岡空港から羽田空港に向かう臨時便を運航することを決めました。

臨時便は午後8時半に福岡空港を出発し、午後10時半に羽田空港に到着する予定だということです。

日本航空は「移動できない人たちのニーズに応えたい」としています。

運転見合わせ なぜ拡大?

19:00前のJR東京駅 運転再開後も混雑した状況が続く

JR東海によりますと、東海道新幹線は沿線などに設置した雨量計の数値が、
▽1時間当たり60ミリ以上の場合や
▽1時間当たり40ミリ以上で24時間当たり150ミリ以上の場合などに
対象の区間の運転を見合わせることになっています。

16日は午前8時半ごろ以降、静岡県の三島駅と静岡駅の間の3か所の雨量計で順次、基準の数値を超える状況が続きました。

こうしたなか、当初、三島駅と静岡駅の間で運転を見合わせましたが、その後、広がり、一時、見合わせ区間は直通する山陽新幹線を含めた東京駅と博多駅の間の上下線にまで拡大しました。

運転の見合わせ区間が大幅に拡大した理由についてJR東海は、当初、静岡県内での運転見合わせが長時間続いたため、見合わせ区間の前後では走ってきた列車が詰まる状態になったと説明しています。

この際、折り返し運転を行わなかったのは、きょうは雨がどの場所でどれくらい降るか見通しが立ちづらかったためだとしていて、折り返し運転をしても雨の影響で列車が、駅の間で、長時間、立ち往生する可能性があると判断したということです。

このため、可能な限り各駅で列車を止め、その結果、運転の見合わせ区間が拡大したということです。

専門家 “JR東海の対応 一連の判断の検証を”

工学院大学 高木亮教授

今回のJR東海の対応について鉄道システムに詳しい工学院大学の高木亮教授は「前日15日の需要がきょうにシフトしてきている中でなかなか難しいとは思うが例えば、名古屋と新大阪の間を動かすとかというのはやってもよかったのかもしれない」と指摘しました。

その上で、「どういう天気予報をもとにどういう判断を下したのか、また、止めることを決めたあとに運転再開についてどういう判断をしたのか、一連の判断の時系列の検証をぜひやってもらいたい」と話していました。

16:00ごろ

JR新大阪駅 運転再開後もダイヤの乱れ 混雑した状況が続く

東海道新幹線と山陽新幹線は、大雨の影響で、午前中から運転を見合わせ午後2時すぎに全線で再開しましたが、ダイヤの乱れが続いているため新大阪駅では乗車を待つ多くの人で混雑した状況が続いています。

15日に一部の区間で終日にわたり計画運休を行った東海道新幹線と山陽新幹線は、16日は始発から運転を再開していましたが、静岡県内の大雨の影響で午前9時半ごろから東京駅と博多駅の間の上下線で順次運転を見合わせました。

その後、山陽新幹線は午後0時半ごろから新大阪駅から博多駅の上下線で運転を再開し、東海道新幹線は午後2時10分に東京駅と新大阪駅の上下線で運転を再開しました。

全線で運転が再開したため新大阪駅では、動き始めた新幹線に乗ろうとする人や切符の変更をしようとする人が集まっていますが、ダイヤが大きく乱れているため混雑した状況が続いています。

また、改札付近は、新幹線に乗車しようとする人で行列ができ、一時、上りの利用客を対象に入場を制限しました。

東京から甲子園の応援に来たという20代の男性は、「午後3時の切符を買っていたが、新幹線が大幅に遅れているため時間通りに乗れなかった。カフェなども全部満席で入れず暑いので早く帰りたい」と話していました。

また、孫を見送りに来た70代の女性は「5時間も駅構内で待っている。きょうは諦めてあしたの切符を取り直したが、改札に入った孫が出られなくなってしまったので待っている」と話していました。

JR西日本は、利用客に対して時間に余裕を持った行動や計画の変更などを検討するよう呼びかけています。

16:30ごろ

JR東京駅 切符売り場では多くの人たちが列を

東海道新幹線の運転が再開したあとも、東京駅の改札付近では、スーツケースなどを持った多くの利用客が床に座り込むなどして列車を待っています。

また、切符売り場では、切符の払い戻しや新たな切符を求めて多くの人たちが列を作っていました。

家族で、千葉から静岡に帰省する予定だった11歳の女の子は、「母の実家に帰る予定でしたが4時間ほど待っています。運転再開しましたがまた動かなくなったら困るので引き返そうか悩んでいます」と話していました。

家族で奈良の自宅に帰るという15歳の高校生の男性は、「正午の新幹線に乗る予定でした。運転が再開したので切符を買うために並んでいます。早く帰りたいです」と話していました。

SNS上では乗客や利用者とみられる人たちの投稿相次ぐ

新幹線の遅れを受けて、SNS上では乗客や利用者とみられる人たちの投稿が相次いでいます。

「また信号待ち停車。結構車両が詰まってて牛歩に近い状態なんやろか」

「6時間も新幹線の中いる動き始めても止まったりしてるから間に合うのかなんとも言えないまじで、、号泣」

「新幹線が京都で停まったまま動かないのよ……動かないのよーーーっ」

「結局今日中に帰られなくなり夏休み3日間延期」

「結局2時間新幹線待って、挙句の果てに運休払い戻して家に帰るこのハンパない敗北感…」

中には、遠方でのコンサートやライブといったイベントの開演時間に間に合わないのではないかという不安の声も多く見られました。

また、新大阪駅の新幹線乗り場が利用者でごった返している様子を目の当たりにして「まさに地獄絵図状態」だと指摘する人もいました。

15:00すぎ

JR名古屋駅 小学3年生 女の子「待ちくたびれた 再開うれしい」

大雨の影響で運転を見合わせていた東海道新幹線が午後2時10分に全線で運転を再開すると、名古屋駅では利用客から安どの声が聞かれました。

帰省のため、1週間ほど岐阜県を訪れていたという大学生とその母親は「明日はサークルの活動があったので心配していましたが、運転が再開してきょう中に帰れるとわかって安心しました」と話していました。

また、家族で愛知県内に帰省していたという小学3年生の女の子は「ずっと待っていて肩などが疲れました。待ちくたびれたので再開してうれしいです」と話していました。

父親は「新幹線が動いてなかったので、名古屋市内を観光するなどして待っていました。夫婦ともにあすから仕事だったので安心しました」と話していました。

12:00すぎ

JR名古屋駅 運転再開待つ人たちの長い列

大雨の影響で東海道新幹線が運転を見合わせているため、JR名古屋駅は新幹線に乗る予定の人たちで大規模な混雑が発生し、改札内への入場規制が行われています。

JR東海によりますと、名古屋駅では新幹線に乗る予定の人たちで大規模な混雑が発生しているため改札内への入場規制を行っているということです。

駅の構内では「運転再開の見通しは立っていない」というアナウンスが繰り返し流れ、改札の近くでは、新幹線の運転再開を待つ人たちの長い列ができていました。

また、切符売り場にも払い戻しや列車の変更を希望する人たちが列をつくり、駅構内では一時、警察官が出て、利用客の誘導にあたる姿もみられました。

東京に向かう予定の30代の女性は「きょうは新幹線が動くと思っていたので、まさか止まるとは思わなかった。予定もあるのでとにかく動いてほしい」と話していました。

子どもを連れて家族で横浜に旅行に行く男性は「自由席を待つ列がすごいので下の子を連れて一度列から外れてきました」と話していました。

JR東海では、運転再開には時間がかかる見込みだとして、名古屋駅への入場は時間をずらしてほしいと呼びかけています。

12:00ごろ

静岡 掛川駅 足場かけ乗客をホームに誘導

名古屋駅を午前8時前に出発した東京行きの新幹線「のぞみ」は、大雨の影響で静岡県の掛川駅付近で午前8時半ごろに停車しました。

その後、3時間余りにわたってとまったままでしたが、正午ごろに「ホームへ降りられるようにする」というアナウンスがあり、車両は掛川駅に入りました。

ホーム側にはすでに「こだま」が止まっていたため「のぞみ」との間に2か所で足場がかけられ、飲み物などを買いに向かう乗客が、職員に誘導されながら順番に渡っていきました。

このあと、「雨が小康状態となっていて、安全確認を行っている」というアナウンスがあり、午後1時半前に車両は移動を始め、速度を落として走行しています。

11:00すぎ

JR広島駅 30代男性「会議に出席する予定でしたが…」

JR広島駅の駅構内は、新幹線の運転の再開を待つ多くの人で混雑し、駅員に状況を尋ねたり、キャンセルの手続きをしようとしたりする人の姿も見られました。

大阪に出張する予定だった30代の男性は「会議に出席する予定でしたが、駅員から新幹線が止まっていると聞いて困っています」と話していました。

また、鹿児島に向かう家族を見送りに来た60代の男性は「きょうは新幹線が動くので大丈夫だと思って来ましたが、どうなるか心配です」と話していました。

奈良から広島に旅行で訪れていた40代の女性は「夜に予定がありますが、いつ動くか分からないのでどうなるのか心配です」と話していました。

10:45ごろ

JR博多駅でも… 多くの乗客が足止め

福岡市のJR博多駅でも乗客が足止めされ、混雑しています。

JR博多駅ではお盆で帰省したり、旅行を終えたりした人たちが午前中から新幹線を利用するために集まっていましたが、静岡県の大雨の影響で東海道新幹線と山陽新幹線が運転を見合わせたため、混雑が増しています。

家族で福岡に帰省していた女性は「子どももいるので、待ち時間が長くなると嫌だなという感じです。出発のめどがたつまで博多駅で待機かなと思います」と話していました。

また、大阪に戻る予定だった女性は「本当はきのう帰る予定でしたが 有給休暇を取ってきょうにずらしたら、また、この状況です。だいぶ動きそうにないので飛行機の利用も検討してみようかと思います」と話していました。

10:00ごろ

「のぞみ」の車内は…

名古屋駅を午前8時前に出発した東京行きの「のぞみ」の車内の様子です。

「静岡駅と三島駅の間で1時間に50ミリを超える雨が降っている」といった車内のアナウンスが流れ、午前8時半ごろ、静岡県の掛川駅の手前でいったん停車しました。

しばらくして、車両は一度、ゆっくりと動き、掛川駅が見える位置まで移動しましたが、その後も、停車した状態が続いています。

乗客は車内でスマホを操作したり、仮眠をとったりして過ごしていました。

また、ホームには、別の新幹線の車両が停車している様子も確認できます。

車内では、
▽運転の見合わせが続いていることや
▽JR東海のホームページで詳細を確認してほしいという内容のアナウンスが流れています。

10:00ごろ

JR東京駅 帰省する20代女性「早く実家に向かいたい」

東京駅の改札付近では、スーツケースなどを持った多くの利用客が床に座り込むなどして運転再開を待っています。

また、駅の構内では「現在も複数の箇所で雨が降り続いていて、運転再開には相当な時間がかかる見込みです。運転再開の直後は大変な混雑が予想されます。お時間に余裕があるお客様はしばらくしてからお越しください」と繰り返しアナウンスされています。

大阪の実家に帰る予定だという20代の女性は、「2時間ほど待っていますが、暑くて疲れました。自然のことなので仕方がないとは思いますが、休みがきょうから4日間しかないので早く実家に向かいたいです」と話していました。

帰省中で大阪の自宅に戻る予定の60代の男性は、「きのうは台風の影響があり、きょうなら大丈夫だと思っていましたが、朝、来てみると運転を見合わせていたのでびっくりしました。帰宅をあしたに後ろ倒しにすることを検討したいと思います」と話していました。

9:30すぎ

JR静岡駅 旅行の40代夫婦「自然が相手なのでしかたない」

新幹線の運転見合わせを受けて、JR静岡駅では、運転の再開を待つ人などで混雑しています。

JRでは電光掲示板の表示やアナウンスで運転見合わせを伝えていて、改札の前では、利用者が運行状況を知らせる紙を見たり駅員に尋ねたりして見通しを確認していました。

伊豆に旅行にいく予定だという40代の夫婦は、「1泊の旅行で、楽しみにしていたので早く動いてほしいですが、自然が相手なのでしかたがない」と話していました。

岡山に帰省する予定だという60代の夫婦は、「2日前に帰省する予定でしたが、台風の影響できょうに延期しました。それなのに新幹線が動いていないのは残念です。遠くて車では行けないのでこのまま新幹線が動くのを待ちます」と話していました。

16日夜、名古屋市でプロ野球を観戦する予定だという親子は「1時間半くらい待ちましたが結局新幹線の切符を払い戻ししてもらいました。疲れましたが、車で向かうことにします」と話していました。

9:30ごろ

JR新大阪駅 改札口近くに大勢の人

JR新大阪駅で午前9時半ごろ撮影された映像です。

再開した新幹線がふたたび運転見合わせとなり、改札口近くでは大勢の人が電光掲示板の運行案内を確認するために集まっています。

疲れた様子で荷物を置いて座り込む人も多く、外国人旅行客の姿も目立ちました。

窓口などでは、切符の変更や払い戻しなどについてたずねる人が長い行列を作っています。