ゼレンスキー大統領が前線視察 領土奪還へ勢いつけるねらいか

ウクライナのゼレンスキー大統領は、15日、ロシア軍との激しい戦闘が続く前線を前日に続いて視察し、必要な軍備について話し合うなど領土の奪還に向けて勢いをつけたいねらいもあるとみられます。

ウクライナのクリメンコ内相は15日、ロシア軍のミサイル攻撃によって8つの州で被害が報告され、あわせて住民3人が死亡、27人がけがをしたほか、集合住宅や医療機関、教育施設などが損壊したとSNSで発表しました。

このうちポーランドとの国境に近いウクライナ西部のリビウやルツクでも大きな被害が出て、ロイター通信は、ルツクで被害を受けた建物は、スウェーデンの大手企業の工場で、従業員3人が死亡したと、会社側の話として伝えています。

これに対してロシア国防省の報道官は15日、集中的に行った攻撃の標的は軍事関連の施設だったと主張しました。

一方、反転攻勢を進めるウクライナのゼレンスキー大統領は15日、南部ザポリージャ州の前線の部隊を激励しているとする動画をSNSに投稿しました。

前の日のドネツク州の前線訪問に続くもので、ゼレンスキー大統領は、指揮官から戦況報告を受けた上で、防空システムや無人機など、必要な軍備について話し合うなど、領土の奪還に向けて勢いをつけたいねらいもあるとみられます。

前線の視察を終えたゼレンスキー大統領は新たに公表した動画メッセージで「兵士の訓練は重要な任務の一つだ。実際の戦闘経験や戦場での課題、兵士のスキルなどは、すべての旅団で共有される必要がある」と述べ兵士の訓練や部隊間の連携を進める必要性を強調しました。