アメフト部員の薬物事件対応 文科省が日大に検証を指導

日本大学、アメリカンフットボール部の男子部員が大麻と覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕された事件を受け、文部科学省は日本大学に対して対応が適切だったか検証するよう指導しました。

日本大学、アメリカンフットボール部の男子部員が乾燥大麻と覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕された事件では、去年、大麻使用の自己申告がありながら大学内で理事長などに報告されていなかったことや7月、大学が違法薬物を発見したあとおよそ2週間、警視庁に報告していなかったことがわかっています。

永岡文部科学大臣は15日の閣議後の記者会見で、8月10日に日本大学の副学長らを文部科学省に呼び、大学内での情報伝達や関係機関への連絡などの判断が適切だったのかなどを早急に検証するように口頭で指導したことを明らかにしました。

さらに、近く林真理子理事長に文書を送り、大学が真相究明に向けて第三者を入れた調査を行うことや管理運営体制の見直し、それに説明責任を果たすことなどを指導し、報告を求めるということです。

日本大学では2018年にアメリカンフットボール部の悪質タックルが問題となり、おととしには前理事長が脱税事件で逮捕されるなど不祥事が相次ぎ、去年、作家の林氏が理事長に就任するなど改革を進めていました。

永岡大臣は「日本大学は学校法人として厳正な対処を行うとともに、一層の信頼回復に努めていただきたい」と述べました。

日大学長が在校生に謝罪のコメント

日本大学アメリカンフットボール部の男子部員が大麻と覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕された事件を受け、日本大学の酒井健夫学長は在校生に向けたコメントを公表し「学長として、心よりお詫び申し上げます」と謝罪しました。

そのうえで「学生寮において大麻や覚醒剤を所持した疑いがあることは大変残念です」として「寮の管理体制の見直しも検討していく」としています。

また、去年、大麻の使用を自己申告した学生への大学側の対応が不適切だったのではないかという指摘が記者会見などであったとして「指摘を真摯に受け止め、これまでの経緯についても精査してまいります」としています。

さらに「違法薬物は心身に影響を与え、これまでに積み重ねてきた努力を無に帰させることになる。違法薬物とは関わりを持たないという強い意志を持って下さい」と呼びかけています。