高校野球 沖縄尚学がいなべ総合学園に勝利 3回戦へ

夏の全国高校野球、大会6日目の第1試合は沖縄尚学高校が三重のいなべ総合学園に3対0で勝ち、3回戦に進みました。

沖縄尚学は2回、1点を先制し、なお2アウト満塁のチャンスで、1番・知花慎之助選手がライトへ2点タイムリーツーベースを打って、この回3点を奪いました。

投げては沖縄大会で無失点のエース、東恩納蒼投手が力のあるストレートとキレのある変化球で9つの三振を奪って、いなべ総合学園の打線を完封しました。

投打がかみあった沖縄尚学は3対0で勝って3回戦進出です。

一方、いなべ総合学園は3点を追う6回、連続ヒットなどで1アウト満塁のチャンスを作りましたが、あと1本が出ず、得点をあげられませんでした。

沖縄尚学 東恩納投手「きょうのピッチングは70点ぐらい」

完封した沖縄尚学のエース、東恩納蒼投手は「きょうのピッチングは70点ぐらいです。0点で切り抜けたのはよかったですが、ボールが高めに浮いてしまう場面があった」と話しました。

また、6回の1アウト満塁のピンチについて、「逆にピンチはチャンスと考えて、切り抜けたら流れがくると思って投げました。切り抜けられてよかったです」と笑顔で話しました。

次の試合に向けては「内容にもこだわって、その上で失点を許さないピッチングをしたい」と意気込んでいました。

いなべ総合学園 堂上主将「あと1本が出なかったのが悔しい」

いなべ総合学園のキャプテン、堂上陸翔選手は試合展開を振り返って、「2回に3点をとられてしまいましたが、そこから投手が頑張って無失点におさえてくれたのはよかったです。一方で、ここから野手が頑張るぞというときに、あと1本が出なかったことが悔しいです」と話していました。

また、沖縄尚学の東恩納蒼投手との6回、満塁の場面での対戦について、「なんとかつなごうという思いで打席に入りましたが、東恩納投手のスライダーが切れていて、ボール球に手を出してしまいました。途中までまっすぐで、自分たちの手元で曲がるので、来るまでわかりませんでした」と振り返っていました。

沖縄尚学の絶対的エース 東恩納投手 3回戦にも期待

地方大会を無失点で甲子園に乗り込んだ沖縄尚学の絶対的エース、東恩納蒼投手。

去年秋から磨いてきた得意のスライダーを駆使して9回を投げきり、完封勝利をあげました。

東恩納投手は最速147キロのストレートとキレのある変化球が持ち味。

沖縄大会では5試合すべてに登板し、31イニングあまりを投げて失点がありませんでした。

特に得意としているのは切れ味鋭いスライダーです。

「スライダーもストレートに近い球速で投げれられるようになった方がいい」。

去年の秋、比嘉公也監督から受けたアドバイスがきっかけでした。

東恩納投手は下半身の筋力トレーニングに取り組んだり、ストレートと同じ軌道で腕を振るようフォームを修正したことで、高校入学時からスライダーの球速が上がり、ストレートと球速の差があまり無い、130キロ台のスライダーを投げられるようになったといいます。

甲子園での初戦となったいなべ総合学園との試合でもそのスライダーが威力を発揮しました。

3対0でリードして迎えた6回、いなべ総合学園に連続ヒットを許し、1アウト満塁のピンチで、前の打席でヒットを打っている5番の堂上陸翔選手を迎えた場面。

東恩納投手は「ピンチを抑えればチャンスになる。勝手にギアが上がった」と130キロ台のスライダーで空振り三振を奪い、続くバッターも130キロのスライダーで空振り三振。

このピンチを切り抜けました。

このスライダーについて、いなべ総合学園の堂上選手は「途中までまっすぐで、自分たちの手元で曲がるので、来るまでわかりませんでした。切れのあるスライダーだった」と悔しさをにじませました。

東恩納投手はこの試合124球を投げ、9つの三振を奪って、いなべ総合学園の打線を完封。

それでも、「三振をとったスライダーはよかったが、全体的には70点ぐらいのピッチングです。ボールが高めに浮いていたり、細かいところができていなかった」と、さらに高みを見据えました。

絶対的エースが3回戦ではどんなピッチングを見せてくれるのか。

期待がかかります。