高校野球 履正社が鳥取商に勝利 2回戦へ

夏の全国高校野球、大会2日目の第2試合は大阪の履正社高校が鳥取商業に6対0で勝ち、2回戦に進みました。

優勝した2019年以来4年ぶり出場の履正社は、高校通算32本のホームランを打っている4番の森田大翔選手が、1回に大会第4号となるスリーランホームランを打ち先制しました。

さらに7回にも2本のタイムリーで3点を追加しました。

投げては、先発の増田壮投手が変化球を低めに集めるピッチングで7回まで投げて8つの三振を奪い無失点と好投し、履正社が6対0で勝って2回戦に進みました。

一方、鳥取商業は7回、連続ヒットでこの試合初めて得点圏にランナーを進めましたが、あと1本が出ませんでした。

履正社 増田投手「思いどおりのピッチングができた」

7回を投げて8つの三振を奪い、無失点と好投した先発の増田壮投手は「変化球を中心にいくとキャッチャーの野上から聞いていたので、思いどおりのピッチングができた」と振り返りました。

また、7回に2連続ヒットを打たれて迎えたピンチについては「いつかくると思っていたので強気でいった」と話していました。

履正社 森田選手「何としてもホームに」

1回に先制のスリーランホームランを打った4番の森田大翔選手は「先制の場面で、何としてもランナーをホームにかえすという気持ちだったのでよかった」と振り返りました。

また、大阪大会の初戦でけがをした坂根選手に代わって4番の打席に立ったことについて、「坂根がいないぶん、自分がランナーを絶対かえすという気持ちで打席に入った。このあと1試合でも多く、1打席でも多く坂根に打席に立ってもらいたい」と話していました。

鳥取商 山根投手「自分の力のなさ感じた」

鳥取大会からエースとしてチームを引っ張ってきた鳥取商業の山根汰三投手は試合について「甘く入った球を見逃さず、しっかりと打ってくるところが県大会までと違うと感じました。自分の力のなさを感じました。ホームランを打たれたあとは変化球を多めにし、打たれてもいいからホームに行かせないようにということを意識して投げた」と振り返りました。

履正社 野球部で初の女子部員2人が声援送る

大阪 履正社高校のアルプス席からは、野球部で初めての女子部員が声援を送りました。

履正社の野球部には、ことし4月、1年生の森本萌月さんと、吉田空愛さんが初めての女子部員として入部しました。

森本さんと吉田さんの2人はこの春、マネージャーを希望して多田晃監督にじか談判したところ、選手や相手チームのデータなどを分析し選手に伝える部内で“アナライザー”と呼ばれている役割をすすめられ、入部を決めたということです。

ふだんから相手校のピッチャーや守備についてデータの分析をしているということで、吉田さんは「相手はいいピッチャーだと聞いているので、履正社も打線をつないで点につなげてほしい」と期待を込めていました。

2人は試合が始まるとアルプス席からほかの部員や生徒たちと一緒に大きな声で声援を送っていました。

履正社は、1回にスリーランホームランで3点を先制したほか、先発の増田投手が7回を無失点と好投するなど投打がかみあって2回戦に進み、キャプテンの森澤拓海選手は「2人や控えの選手が相手のピッチャーや打線、守備力についてデータをとってくれているのでプレーしやすかった」と分析に感謝していました。

履正社 代役の4番がチームを引っ張る

春夏連続出場の履正社はこの夏から座った代役の4番がチームを引っ張り初戦を突破しました。

試合開始からわずか14球目でスリーランを打ち、試合の流れを引き寄せたのは履正社の4番、森田大翔選手でした。

1回1アウト一塁二塁の場面で「どんどん振っていこうと思っていた」と森田選手。

インコース高めのストレートをレフトスタンドに運びました。

履正社はこの夏を迎えるまでキャッチャーの坂根葉矢斗選手が4番を打っていました。

ところが大阪大会の初戦でけがをしたため1試合を通しての出場が難しくなり、代わって4番を任されたのが森田選手でした。

森田選手は大阪大会で3本のホームランを打つなど主軸の役割を果たし、甲子園初戦となったこの試合でも結果を残しました。

「自分が出られない分頼むと坂根から言われた。4番はランナーがいたらどんな状況でもかえすのが仕事。坂根がいない分自分がランナーをかえす気持ちでいた」と森田選手。

そして「坂根には1試合でも多く、1打席でも多く坂根に打席に立ってもらいたい」とこの試合、代打で出場した本来の4番、坂根選手への思いも口にしました。

この夏からの主軸が打線を引っ張る履正社。

2019年以来4年ぶりの全国制覇をめざします。