台風6号【各地の影響まとめ】九州で備える動き 沖縄など被害も

台風6号の影響が各地に及んでいます。

沖縄や九州などを中心に各地の様子についてまとめます。

韓国でも備え キャンプ大会の参加者を移動へ

台風6号の接近に伴って韓国でも、事前に備える動きが出ています。

韓国の南西部では今月1日から世界各国のボーイスカウトとガールスカウトが参加したキャンプ大会が開かれていますが、韓国政府は参加者をソウルなどの首都圏に移動させることを7日に決めました。

人数はおよそ150の国と地域の3万6000人余りで、ボーイスカウト日本連盟によりますと、日本から参加しているおよそ1500人も、この決定に合わせて移動するということです。

韓国政府は、バスおよそ1000台を用意して、8日午前から順次、参加者を移送するとしていて、ソウル首都圏にある行政機関や教育施設などを宿泊先として調整しているということです。

一方、今回の催しでは、熱中症による体調不良を訴える参加者が数百人に上っていて、日本大使館によりますと、日本からの参加者の間でも体調不良を訴える人が複数出たものの、症状が重い人はいないということです。

高校野球 鹿児島代表の神村学園 応援バスの運行など中止

夏の全国高校野球で鹿児島代表の神村学園は、9日に初戦を迎えますが台風6号の接近に伴い、学校は生徒などを乗せた応援バスの運行や学校での応援の中止を決めました。

一方、チアリーディング部や吹奏楽部の生徒など、およそ120人は当初の予定を前倒しして、甲子園球場に7日夕方、向かうことになり、出発式で生徒たちは学校の応援歌を歌ったあと、楽器などを持ってバスに乗り込み、保護者や職員に見送られて出発していきました。

常田恭一副理事長は「4年ぶりの甲子園で多くの応援の希望があったのですが、台風6号の影響で、安全第一を考えると行けないため非常に残念です。泥臭い野球でしっかり頑張ってくれるのではないかと思っています」と話していました。

ガソリンスタンドで給油制限 鹿児島 鹿屋

鹿児島県鹿屋市などでガソリンスタンドを複数経営する会社によりますと、台風が接近している影響で仕入れ業者から今月15日までガソリンが出荷できなくなる可能性があると連絡があったということです。

このため、一部の店舗で、7日からレギュラーガソリンについて現金で支払う場合、1台あたり10リットルまで、給油の制限を始めたということです。

給油に訪れた建設業の男性は「給油ができなくなったら必要なものが運べなくなる」と話していました。

また、ごみ処理業者の男性は「あすはゴミが多く出る地区を走るので心配だ」と話していました。

「樋渡コーポレーション」の中原篤樹事務長は「油がこんなに入ってこないことに驚いている。現金のお客さんは10リットルまでにしないとあっという間になくなってしまう。どうか理解してほしい」と話していました。

石油元売り大手の「ENEOS」によりますと、台風に伴う高波の影響で鹿児島の油槽所の桟橋にタンカーを着けて荷降ろしができなくなっていて、在庫が少なくなっているということです。

このため、ほかのエリアから運んでいますが、通常より供給量が減っている状況だということです。

今後については、台風の影響などで変更があるとしたうえで、今月11日ごろからタンカーの運航が再開され、徐々に回復していく見通しだということです。

九州新幹線 8日 熊本~鹿児島中央 一部運休

JR九州によりますと台風6号の接近に伴って8日、九州新幹線は、博多と熊本の間では始発から通常どおり運転しますが、熊本と鹿児島中央の間では上り線が午後1時45分に鹿児島中央を出発する列車、下り線が午後0時40分に熊本を出る列車の後からは運休となります。

また、西九州新幹線は通常どおり運転するということです。

ホームセンターに特設コーナー 佐賀

台風6号の接近に備え、佐賀市内のホームセンターには、防災用の商品を集めた特設コーナーが設けられています。

佐賀市南佐賀にあるホームセンターの特設コーナーでは窓ガラスが飛び散るのを防ぐための養生テープや、断水でトイレが使えなくなった場合に備える簡易トイレや凝固剤などがそろえられています。

訪れた客は商品を選んで次々に買い求めていました。

店によりますと養生テープは、ふだんの10倍以上売れていて、電話での問い合わせも増えているということです。

ユートク南佐賀店の池田祐介さんは「過去に被災した経験がある人は簡易トイレを購入していく。店では台風対策に必要なものを取りそろえているので、活用いただいて早めの備えをしてほしい」と話していました。

水路などの水位 あらかじめ下げて備え 佐賀

台風6号の接近を前に佐賀市は7日朝から、市内の主な水路などの水位をあらかじめ下げることで雨水を一時的にためられるようにして浸水被害を防ごうと備えを進めています。

このうち、佐賀市兵庫北にある佐賀広域消防局東側の水路では、午後2時半ごろ、担当者がせきを開ける操作を行って水を川に流し水位を50センチ余り下げていました。

佐賀市によりますと、台風6号の接近に備えて、市内では、およそ40か所のひ門やせきを操作して水路などの水位をあらかじめ下げることにしています。

佐賀市河川砂防課の小南考輝主任は「雨が降ると水路の水位は急激にあがることもあるので、安易に近づかないでほしい」と話していました。

スーパーマーケットで一部商品品薄 鹿児島 種子島

台風6号の接近に伴い、船の欠航が続いている鹿児島県の種子島では、食料品が品薄になっている店も出ています。

このうち、西之表市にあるスーパーマーケットでは、5日から商品を運ぶフェリーが欠航している影響で、パンや卵、総菜、それに冷凍食品などが品薄になっています。

店は、フェリーの欠航を見込んであらかじめ一部の商品を通常よりも多く仕入れていましたが、それでも多くの商品が品薄になっているということです。

この店の商品を運ぶフェリーは9日までは欠航が決まっています。

「サンシード食品館」の藤村直美さんは「とにかく台風のスピードが遅く、はやく通り過ぎてほしい。早く船に来てもらいたいです」と話していました。

また西之表市のホームセンターでは、土のう袋や、割れた窓ガラスが飛び散るのを防ぐテープ、それに壁や窓などを補強するための木材などがそろえられていて、訪れた人が購入していました。

店によりますと、このほかにも停電に備えてランタンや懐中電灯がよく売れていて、一部の商品は品切れになっているということです。

地元の50代の男性は「対策はしていますが、家が倒壊したり農作物に被害が出たりしないか心配です」と不安そうに話していました。

沖縄と鹿児島 計54の学校や幼稚園で床上浸水などの被害

台風6号の影響で、沖縄県と鹿児島県では、合わせて54の学校や幼稚園で床上浸水などの被害が確認され、文部科学省は、引き続き二次災害に注意するよう呼びかけています。

文部科学省は教育委員会を通じて、7日午前10時半時点の台風6号による学校施設などの被害状況をまとめました。

それによりますと、沖縄県内で53校、鹿児島県内で1校の合わせて54校で被害が確認されているということです。

具体的には、公立の幼稚園が1校、小学校が11校、中学校が3校、高校が30校、特別支援学校が8校で、国立大学でも1校被害が出ています。

文部科学省によりますと、床上浸水のほか、屋根が一部飛ばされたケースや、倒木やフェンスの破損など強風によるものとみられる被害が相次いでいるということです。

一方、夏休み期間のため、休校などの影響の報告はないとしています。

文部科学省は、雨や風が強まる中では被害状況の確認には行かず安全の確保に努めるよう、二次災害への注意を呼びかけています。

かんきつ農家「台風が通過するまで心配」愛媛 八幡浜

愛媛県八幡浜市のかんきつ農家、二宮昌基さんの農園では、河内晩柑や甘平などおよそ20種類のかんきつを栽培しています。

収穫前の実はまだ青い状態ですが、台風に伴う強風で葉がすれて傷が付き、細菌が入り込んでコルクのように茶色く変質する「かいよう病」の発生が懸念されています。

二宮さんは、風が当たりやすい場所を中心に事前に殺菌剤をまいて、傷ができても細菌が入り込まないよう、対策をしています。

二宮さんは、「台風が通過するまでは心配でいっぱいです。できる対策も少ないのですが、秋口の収穫に向けてできるかぎりの努力はしたいと思います」と話していました。

“避難所避けてホテルに宿泊” 地元の人の予約相次ぐ 大分 佐伯

台風6号の接近に伴い、大分県佐伯市のホテルでは避難所を避けてホテルに宿泊しようとする地元の人たちからの予約が相次いでいます。

JR佐伯駅の近くにある「ホテル金水苑」では台風6号の接近に伴って宿泊の予約が殺到し、8日から9日にかけては満室となる見込みだということです。

ホテルによりますと、このうち3割ほどが市内の沿岸部に住む人や高齢者などからの予約で、その多くは強風や浸水などによる自宅への被害を心配するとともに避難所での密集を避けるために宿泊を希望しているということです。

台風の影響で夏休みを利用した県外からの旅行客や帰省客のキャンセルの連絡とともに避難を目的とした予約の問い合わせでホテル側は対応に追われています。

ホテル金水苑の佐藤認総支配人は「新型コロナの影響なのか3年前からホテルに避難する人が増えてきました。いざという時は予約をしていなくてもロビーや宴会場を避難場所として開放するなど対応していきたい」と話していました。

那覇空港のターミナルビル3日ぶりに開館 混み合う

那覇空港は、台風6号が沖縄本島に再び接近したため、6日まで今月、2度目の閉館となっていました。

7日も一部の便が欠航しているものの、ターミナルビルは3日ぶりに開館し、館内は旅行中に足止めされていた観光客や帰省する人たちなどで混み合っていました。

帰省先の久米島から島根県に戻る途中だという30代の男性は「金曜日に帰る予定でしたが、飛行機が飛ばなくなってしまいました。沖縄出身ですが、影響がここまで長く続くことはなかなかないのでびっくりしています」と話していました。

家族旅行を終え東京に帰るという夫婦は「5日に帰る予定でしたが飛行機が飛ばず延泊しました。ホテルでゆっくり過ごしたかったのですが、停電と断水になってしまい、部屋も暑いので水族館などに出かけました。みんな早く帰りたかったので、きょう帰ることができてうれしいです」と話していました。

高潮被害の沖縄 名護 片づけに追われる

沖縄県名護市の東江地区では5日、台風による高潮で、道路や住宅地などに海水や砂が押し寄せる被害が出ています。

道路には、高さ50センチほどの砂が積もっていたということですが、自治体が砂を一時的に撤去して車が通れるようになっていました。

また、住宅では、住民たちが7日朝から車庫などに流れ込んだ砂をスコップで取り除く作業を行っていました。

美容室を経営する30代の男性は「駐車場が砂だらけになってすごかったです。怖かったですが教訓になりました」と話していました。

また、この地域に住んで40年余りになるという60代の男性は道路が冠水して水位が上がり続けたため近所の人たちと排水溝にたまった草などを取り除いて対応したということです。

男性は「排水溝の草の除去作業を行ったことで、浸水を防ぐことができました。台風対策の土のうも流され、怖さを感じました」と話していました。

宮崎 台風接近に備え 食料品多めに買い求める

宮崎市のスーパーでは午前9時の開店直後から多くの買い物客が訪れて水や即席ラーメン、それにパンなど調理の手間が少ない食料品やカセットボンベを買い求めていました。

このため店では午前中の段階で一部の商品が品薄の状態になっていました。

店によりますと5日、2リットルのペットボトルの水をふだんの2倍の量仕入れていたということですが、6日の午後にはほとんどが売れ、急きょ7日朝、新たに10ケース余りを追加したということです。

水とガスボンベを買った宮崎市の70代の男性は「きのう、友人に品薄だと言われて急いで来ました。なんとか間に合ってよかったです」と話していました。

マルイチ丸山店の若松亮太店長は「多めに発注したものの予想を上回る売れ行きで欠品するものもありご迷惑をおかけしています。今後も発注を増やす予定ですが補充が難しい商品もあると思います」と話していました。

長崎 平和祈念式典 「出島メッセ長崎」に変更

9日の平和祈念式典について長崎市は6日夜、記者会見を開き、台風6号の接近にともなって参列者の安全確保を優先するためとして、会場を平和公園から市内の国際会議場などを備えた「出島メッセ長崎」に変更すると発表しました。

これを受けて、平和公園では7日午前8時ごろから会場の撤去作業が始まりました。

作業員たちは、テントの天幕を折り畳んでトラックへ積み込んだり、撤去した資材を会場から運び出したりしていました。

また、式典は被爆者や遺族のほか岸田総理大臣や各国大使といった来賓の参列を見送るなど、大幅に縮小するということです。

平和公園で撤去作業を見守っていた被爆者の田中安次郎さんは「台風で安全第一ということでやむをえないと思いますが、被爆者がいない平和祈念式典というのは、残念です」と話していました。

また、新たに会場となった「出島メッセ長崎」では、式典に向けた設営作業が始まりました。

会場では、平和公園から運び込まれた献水台と献花台の組み立て作業が行われました。

長崎市によりますと、屋内での開催は雨天のために変更になった昭和38年以来60年ぶりで、今回で2回目だということです。