健康保険証廃止は当面維持“まずは国民の不安払拭に全力”首相

来年秋に今の健康保険証を廃止する方針について、岸田総理大臣は、当面維持する一方、マイナンバーカードをめぐるトラブルの総点検などの状況次第では、廃止の延期も含め、必要な対応をとる意向を示しました。まずは、国民の不安払拭(ふっしょく)に全力を挙げる方針です。

岸田総理大臣は4日の記者会見で、マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいることを陳謝しました。その上で、来年秋に今の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化させる方針について、当面維持する一方、秋までをめどに終えるとしているトラブルの総点検などの状況次第では、廃止の延期も含め必要な対応をとる意向を示しました。

そして、「現場の声を重く受け止め、国民の不安払拭を最優先とした対応をとっていく」と強調しました。

また、保険証の代わりとなる「資格確認書」については、マイナンバーカードと一体化した保険証を持っていない人、すべてに申請を待たずに交付し、有効期間も最長で5年とするといった運用の見直しを行うことなどを通じて、まずは国民の不安払拭に全力を挙げる方針です。

これに対し、立憲民主党の泉代表は「よけいに手間と経費がかかるやり方で、国民の理解は得られない」と批判しました。

与党内からも「『資格確認書』の有効期間を延ばすなら、実質、保険証廃止の延期と何が違うのか」などと、疑問の声も出ていて、一連の政府の対応に国民の理解が得られるかが焦点です。