3隻の貨物船が黒海を航行しウクライナ南部の港へ 緊迫状況続く

ロシアは先月、ウクライナ産農産物の輸出をめぐる合意の履行を停止し、黒海でウクライナに向かう船舶は軍事物資を輸送している可能性があるとみなすと警告しました。

黒海にコルベット艦を配備するなどしたロシア海軍が、ウクライナに向かうとみなした船舶を妨害するという見方も出ています。

こうした中、複数の海外メディアは船舶が発する位置情報をもとに、先月30日、3隻の貨物船が黒海を航行し、ウクライナ南部のドナウ川沿いにあるイズマイルの港に向かったと伝えました。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは、3隻はウクライナに向かう際、ロシアの軍艦や機雷を避けるためNATO=北大西洋条約機構に加盟するブルガリアとルーマニアの領海内を航行したと報じています。

さらに欧米メディアは、3隻が航行している際に、アメリカ軍のP8哨戒機や無人偵察機「グローバルホーク」それにNATOの早期警戒管制機がルーマニアや黒海などの上空を飛行していたと伝えていて、NATOが警戒と監視を強化しロシアを強くけん制したとする見方も出ています。

今回3隻の貨物船は、ロシア側の妨害などは受けなかったとみられますが、黒海では緊張した状況が続いていてウクライナ産の農産物がほとんど輸出できていない状態に変わりはありません。