台風6号 沖縄・奄美地方に再接近へ 暴風や高波 高潮に厳重警戒

大型で強い台風6号は沖縄県の久米島などを暴風域に巻き込みながら東へ進んでいて、5日から6日にかけて再び沖縄本島地方や鹿児島県の奄美地方にかなり接近する見込みです。台風の動きが遅く影響が長引くおそれがあり、暴風や高波、高潮に厳重に警戒し、4日夜は安全な場所で過ごしてください。

気象庁によりますと、大型で強い台風6号は、午後11時には久米島の北北西160キロの海上を、1時間に10キロの速さで東北東へ進んでいるとみられます。中心の気圧は965ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルで、中心の東側220キロ以内と西側165キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。この時間、久米島など沖縄本島地方の一部が暴風域に入っています。

沖縄本島地方では非常に強い風が吹いていて
▽久米島空港で午後7時前に39.6メートル、
▽名護市で午後7時すぎに32.7メートル、
▽那覇市で午後8時すぎに31メートルの最大瞬間風速を観測しました。

沖縄県では断続的に発達した雨雲がかかり72時間の雨量の最大値は、
▽久米島で453.5ミリ、
▽宮古島市の下地島空港で399ミリ、
▽読谷村で386.5ミリに達し、いずれも8月としては統計を取り始めてから最も多くなっています。

暴風 高波 高潮に厳重警戒 トラック横転する猛烈な風のおそれ

今後の見通しです。

台風は強い勢力を保ったまま5日から6日にかけて再び沖縄・奄美にかなり接近する見込みです。

その後、日本の南の海上を北上し、西日本などでも台風の影響が強まる見込みです。

台風の接近に伴い沖縄・奄美では物が飛ばされてけがをしたり、走行中のトラックが横転したりするような猛烈な風が吹くおそれがあります。

4日の最大風速は
▽沖縄地方で28メートル
▽奄美地方で20メートル
5日は
▽沖縄・奄美で30メートル
▽九州南部で20メートルと予想されています。

6日はさらに風が強まり
▽沖縄・奄美で30メートルから40メートル
▽九州南部で20メートルから24メートルと予想されています。

最大瞬間風速は
4日は
▽沖縄地方で40メートル
▽奄美地方で30メートル
5日は
▽沖縄・奄美で45メートル
▽九州南部で30メートルと予想されています。

6日は、
▽沖縄・奄美で40メートルから60メートル
▽九州南部で25メートルから35メートルと予想されています。

沖縄地方では6日にかけて、奄美地方では5日から6日にかけて猛烈にしける見込みです。

4日の波の高さは
▽沖縄地方で9メートル
▽奄美地方で6メートル
5日は
▽沖縄・奄美で11メートル
▽九州南部で7メートル
6日は
▽奄美地方で11メートル
▽沖縄地方で10メートル
▽九州南部で9メートルと予想されています。

台風の影響と大潮の時期が重なるため沖縄・奄美では潮位が高くなるところがあり、特に沖縄本島地方では5日にかけて高潮や高波による浸水の被害が起きるおそれがあります。

台風本体や周辺の発達した雨雲の影響で沖縄・奄美を中心に雷を伴った非常に激しい雨が降る見込みです。

5日夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
▽沖縄地方で200ミリ
▽奄美地方で180ミリ
▽九州南部で100ミリ
6日夕方までの24時間には
▽奄美地方で200ミリから300ミリ
▽九州南部と沖縄地方で100ミリから200ミリ
▽四国と九州北部で100ミリから150ミリと予想されています。

また7日・月曜日の夕方までの24時間には
▽九州南部と奄美地方、四国、近畿、東海で200ミリから300ミリ
▽九州北部で100ミリから200ミリの雨が降る見込みです。

西日本など台風から離れた地域でも長い時間、台風からの湿った空気が流れ込み南東側にあたる地域を中心に総雨量が多くなるおそれがあります。

気象庁は暴風や高波、高潮に厳重に警戒するとともに、土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、氾濫に警戒するよう呼びかけています。

台風の動きが遅いため影響が長引くおそれがあるほか、すでに1度台風が接近した地域は少しの雨や風でも災害の危険度が高まるおそれがあります。

復旧作業などを進めている人も雨や風が強まっているときは頑丈な建物の中にとどまるなど4日夜は安全な場所で過ごしてしてください。

夏休みの移動が多い時期にあたるため、台風が近づいていない地域でも気象庁の最新の情報をこまめに確認し予定の見直しなども含め早めの備えを進めて下さい。

各地 警戒が必要な時間帯は(4日11:00時点)

4日午前11時時点での各地の警戒が必要な時間帯は次のとおりです。

【沖縄地方】
▽7日の月曜日にかけて暴風となる可能性があり、特に6日にかけて可能性が高くなっています。

▽高波は9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に8日の火曜日にかけて可能性が高くなっています。

▽大雨は6日にかけて警報級となる可能性があり、特に5日夜遅くにかけて可能性が高くなっています。

▽高潮は4日夜から6日にかけて警報級の可能性があり、特に5日の夜遅くにかけて可能性が高くなっています。

【奄美地方】
▽4日夜から9日の水曜日にかけて暴風となる可能性があり、特に5日朝から可能性が高くなっています。

▽高波は9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に8日の火曜日にかけて可能性が高くなっています。

▽大雨は4日夜から8日の火曜日にかけて警報級の可能性があり、特に5日朝から7日の火曜日にかけて可能性が高くなっています。

▽高潮は4日夜から6日にかけて警報級の可能性があります。

【九州南部】
▽大雨は9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に6日から8日の火曜日にかけて可能性が高くなっています。

▽高波は5日朝から9日の水曜日にかけて警報級の可能性が高くなっています。

▽暴風は6日から9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に7日の月曜日から可能性が高くなっています。

▽高潮は6日から8日の火曜日にかけて警報級の可能性があります。

【九州北部】
▽大雨と高波が6日から、▽暴風は7日の月曜日からいずれも9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に8日の火曜日から可能性が高くなっています。

【四国】
大雨と高波が6日から9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に大雨は8日の火曜日から高波は7日の月曜日から可能性が高くなっています。

また、8日の火曜日から9日の水曜日にかけて暴風となる可能性が高く、高潮も警報級の可能性があります。

【中国地方】
9日の水曜日に警報級の大雨と暴風、高波、高潮の警報級の可能性があります。

【近畿】
▽大雨が5日朝にかけてと7日の月曜日から9日の水曜日にかけて警報級の可能性があります。

▽暴風は8日の火曜日から9日の水曜日にかけて警報級となる可能性があるほか、▽高波は7日の月曜日から9日の水曜日にかけて警報級の可能性があり、特に8日の火曜日から可能性が高くなっています。

【東海】
▽大雨が6日から、▽高波が7日の月曜日からいずれも9日の水曜日にかけて警報級となる可能性があります。

【関東甲信・伊豆諸島】
8日の火曜日から9日の水曜日にかけて警報級の高波となる可能性があります。

台風の進路が定まっていないため警戒が必要な時間帯は変わる可能性があります。最新の気象情報や今後の台風の進路などに注意してください。

岸田首相 被害拡大防止措置の徹底など指示

岸田総理大臣は4日夕方、総理大臣官邸で谷防災担当大臣と会談し、被害の状況や今後の見通しについて報告を受けました。

そして、避難や大雨、暴風などに関する情報提供を適時、的確に行うとともに、自治体とも緊密に連携し、住民の避難支援など被害の拡大防止の措置を徹底すること、それにすでに被害が発生している地域では被災者の声や実情を丁寧に聞き取り、寄り添った支援を行うよう指示しました。